第100回全国高校サッカー選手権大会で栃木代表の矢板中央は、初戦となる31日の2回戦で鳥取代表の米子北と対戦します。宇都宮が日本一を成し遂げてから70年、栃木代表の過去の成績を振り返るとともに初戦を展望します。
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「12」これは栃木県で選手権を経験している高校の数です。そのうち唯一の優勝校は1950年度、29回大会の宇都宮。その後、1964年度の43回大会で宇都宮学園(現・文星芸大附)が準優勝したのを最後に栃木県勢は決勝の舞台から長く遠ざかっています。
■泥臭くシンプルに 全員サッカーで勝利を
栃木「12」校目の代表校が83回大会に初出場し、県内最多「12」回目の出場となった矢板中央です。栃木大会史上初の5連覇を達成し、連続出場のこの4年で選手権「12」勝。過去ベスト4が4回、ベスト8が2回の成績を残し、初戦敗退は2回しかありません。
また、この夏のインターハイ県予選では「10」回目の優勝を飾りました。3大会連続優勝は栃木県では初めてですが、全国では2回戦敗退と悔しさを味わいました。
選手権の初戦はインターハイ準優勝の米子北です。前回、優秀選手のMF大畑凜生選手は「似たようなチームなので泥臭くシンプルなプレーで勝利をつかみたい」、高橋健二監督は「強豪だが1点を争う展開に持ち込み、最後まであきらめない全員サッカーで勝利を目指す」と意気込みます。
■栃木県勢 5年前にも米子北と激突
栃木県勢と米子北は2016年度の95回大会の2回戦で対戦経験があります。この年の代表校・佐野日大は押し込まれる時間が続きましたが、相手の猛攻をしのぎ1-0で勝利。勢いそのままにベスト4進出を果たしました。
強豪を破ることでチームが勢い付くことは間違いありません。高橋監督は「初戦が一番難しい。前回、前々回とも初戦をものにしたことで選手は大きく成長し、ベスト4という結果を残してくれた」と指摘します。流通経済大柏、静岡学園、尚志といった強豪ひしめく厳しいブロックですが、初戦突破が上位進出の大きなカギを握ります。
大畑選手は「過去4回の準決勝はすべて無得点でベスト4に終わっている。壁を越えるためにも攻撃のバリエーションやプレーのスピードを高めていきたい」と悲願達成に燃えています。
■新年は高校サッカーの応援から始まる
「勝って年を越したい」と初戦に照準を合わせる高橋監督。栃木県勢の初戦敗退は92回大会に矢板中央が四日市中央工(三重)に1回戦で敗れたのが最後で、これ以降、年内での敗退はありません。
栃木の高校サッカーファンは初詣をすませてから会場やテレビで地元チームの試合を観戦するのが、お正月の恒例行事になっているといえます。今回もそれ以外の新年の過ごし方は考えられません。
■2桁の数字が意味するものは
1…選手権出場「12」校(栃木県)
2…栃木「12」校目の出場(矢板中央)
3…選手権「12」回目の出場(矢板中央)
4…連続出場のこの4年で選手権「12」勝(矢板中央)
5…初の国立から「12」年(矢板中央)
6…インターハイ「10」回出場(矢板中央)
これらの数字を合計すると12×5+10=70
矢板中央が初めて国立競技場のピッチに立ったのは88回大会。あれから「12」年――。
生まれ変わった聖地・国立競技場で栃木県勢「70」年ぶりの頂点をつかみます。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/とちぎテレビ)
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