NEWS

ニュース/各地区代表情報

2022

1/3

【高校サッカー戦記・山形】羽黒高校、あと一歩届かず…山形の歴史を後輩に託す

第100回全国高校サッカー選手権大会。山形代表・羽黒高校は一回戦で岡山代表・岡山学芸館高校と対戦。接戦の末に1ー2で惜しくも敗れました。試合を振り返り、チームの今後を展望します。

■先制、そして逆転

羽黒は、ケガの影響で県大会は途中出場だった、チームの中心・吉田真選手(3年)がスタメン復帰。前半は、コーナーキックで、用意のサインプレーからクロスバー直撃のシュートが生まれるなど、序盤から積極的に試合を動かします。両チーム、チャンスをつくりながら迎えた前半39分、羽黒はサイド攻撃からクロスを放り込み、こぼれ球に反応した荒井晴太選手(2年)が押し込んで先制。羽黒リードで前半を終えます。

しかし、後半はシステムを変更した岡山学芸館が徐々にペースをつかみ、後半16分、コーナーキックからゴール前の混戦で、岡山学芸館の井上斗嵩選手(2年)に押し込まれ失点。一方の羽黒は、県リーグ得点王の佐藤聡汰郎選手(2年)を投入して打開を図りますが、岡山学芸館の堅い守備に阻まれ、シュートに結びつけることができません。ゴールキーパー・渡辺賢斗選手(3年)も、好セーブを連発して攻撃をしのぎますが、後半38分、岡山学芸館のキャプテン・山岡亮太選手(3年)に鮮やかなミドルシュートを決められ、痛恨の失点。1-2で、惜しくも勝利とはなりませんでした。

■「最後までよく戦ってくれた。あと一歩だった」

試合後、羽黒の本街直樹監督は、「いい時間帯に点を取れて、いい形で前半を終われた。前半1-0で折り返せたのは予想以上の出来だった」と評価しました。一方で、「後半は相手の時間が長くなってしまった。岡山さん(岡山学芸館)は結構、選手を代えてきて、うちはなかなか代えるカードがなかったので、選手の層を厚くしていかなければいけない」と今後の課題を話しました。そして、「選手たちは、山形県代表として、最後までよく戦ってくれた。あと一歩だった。しっかり顔を上げて、1、2年生は来年に、3年生はこれからの人生に生かしてほしい」と、選手たちを労りました。

ケガで先発を外れたキャプテン・岩村光晟選手(3年)に代わってキャプテンマークを巻いた吉田真選手は、「先制点を取って、無失点で終わるというのが(この試合の)目標だった。先制点を取ることはできたが、最後の最後で守ることができなかった。目標にしていたことができなかったので、心残りがある」と話します。また「山形県勢が、なかなか全国では勝てていなくて、自分たちが歴史を変えるという思いで臨んだが、最後の最後で勝ちきれなかった。後輩には、来年またチャレンジしてもらって、最後の最後の詰めを磨いてもらいたい」と、後輩へエールを送りました。

■県勢悲願の初戦突破へ

これまで14大会連続で、全国では勝ち星がなかった山形県勢。羽黒の選手たちは、「山形の歴史を変える」と、強い決意で試合に臨みました。そして、その決意に恥じない、素晴らしい試合を見せてくれました。あとは結果をつかむだけです。3年生の思いを受けた後輩たちが、山形に新たな歴史を刻むべく、次の一歩を踏み出します。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/山形放送)
 

この記事を
シェアする
ニュース一覧にもどる