第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。富山県代表の富山第一高校の初戦は31日、宮崎日大(宮崎)と対戦します。歴代の富山県代表は、全国でどのような戦いを繰り広げてきたのか。過去の成績を振り返ります。
■「記憶に残る県勢初優勝」 富山第一
富山県に初めての優勝旗をもたらしたのは、改修前最後の国立競技場で行われ、「国立最蹴章」と謳われた、第92回大会で優勝した富山第一です。決勝戦は星稜(石川)との初の北陸勢同士の決戦となりました。2点を追う富山第一は後半42分。ともに途中出場の3年生、村井和樹選手のクロスを高浪奨選手が押し込み1-2に。
さらに試合終了間際、相手のファウルで得たペナルティーキックを、大塚一朗監督の二男でキャプテンの大塚翔選手が決めて、試合を振り出しに戻します。迎えた延長後半9分、村井選手が豪快に左足で決勝点を決め、劇的な逆転勝利で初優勝を果たしました。待ちに待った富山県勢初の全国制覇は、県内で瞬間最高視聴率62.6%を記録し、テレビの前で多くの県民が喜びを分かち合いました。
県勢2回目の優勝を目指す富山第一。渡邊快誠キャプテンは「国立最後の王者が新国立最初の王者になれたらかっこいいとみんなで話している。富山県大会で敗れた40校の思いを背負い、新国立のピッチに立てるよう頑張りたい」と意気込みを語りました。
■「100回大会が最後の選手権」過去6度の全国選手権出場・水橋
富山第一が全国制覇を果たした次の大会で富山第一を破り、全国へと駒を進めたのは、水橋でした。過去6度の全国出場を誇り、77回大会と93回大会では全国ベスト16の成績を残した強豪校です。県大会での富山第一との一戦は「富山クラシコ」ともいわれ、富山の高校サッカーを盛り上げてきました。
2022年春、再編統合に伴い水橋は閉校となります。3年生だけで臨んだこの1年、夏の高校総体・富山県大会は粘り強く戦い準優勝でしたが、最後の選手権は県大会初戦で敗れました。
18人の3年生が水橋に入学したのは、すでに閉校が決まっていたタイミングでした。
伝統の背番号14番を最後に背負った津波尚旺選手は「サッカーがなければこの仲間と出会うこともなかった。水橋に入って後悔はない」と話しました。水橋の栄光は富山の高校サッカー史に深く刻まれ、これからも残り続けます。
※写真は92回大会優勝 富山第一高校
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/北日本放送)
シェアする