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2021

12/13

【高校サッカー展望・秋田】歴史をつなげてきた伝統校・秋田商業 いざ100回大会へ

第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。一回戦で、秋田県代表の秋田商業は29日に東福岡(福岡)と対戦します。歴代地区優勝校の変遷と、10月23日に行われた秋田県大会決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。

【歴史の先駆者】

全国に誇る秋田の盟主・秋田商業。秋田の高校サッカーの歴史を彩ってきた存在であることは他校のライバルも認めるところでしょう。

県勢が初めて選手権全国大会に出場したのは第31回大会の秋田商業。そこから歴史は紡がれています。34回大会で準優勝を果たすと、さらに36回大会では、頂点までたどり着きました。38回大会で船川水産(現・男鹿海洋)に一度代表の座を譲ったものの、以降も出場回数を重ねたのは秋田商業でした。

【ライバル出現】

42回大会で、独走を続ける秋田商業を止めたのが西目農業でした。翌年の43回大会こそ秋田商業が再び全国行きを決めましたが、44回大会は西目農業が2回目の出場を果たします。

その後も西目農業は、出場回数を増やす度に「秋田商業のライバル」としての地位を高めていきました。校名が「西目」となった現在でも両校の対戦は「伝統の一戦」と称され、秋田商業は「黄色」を見ると、西目は「赤」を見ると、お互いに「燃える」と熱量が上がります。

このライバルの出現が、秋田商業をさらに強くしました。45回大会で再び全国切符を掴んだ秋田商業は、決勝まで勝ち進み、藤枝東との両校優勝で2度目の全国優勝を成し遂げました。

【二強を追いかけ…】

秋田商業OBで日本代表でもGKとして活躍した田口光久氏が率いた経法大付属が63回大会で初出場。(その後も含め、経法大付属は計3回出場)また、80回大会の秋田西、93回大会の新屋と、時折新たな風も吹きました。

それでも、98回大会に至るまでの出場回数は秋田商業が45回、西目が13回と他を寄せ付けず、いつも最後には二強のどちらかに優勝を阻まれる時代がほとんどでした。

【100回大会 県決勝】

10月23日に行われた秋田県大会決勝は、伝統のライバル・西目を準決勝で破って勝ち上がった秋田商業と、経法大付属から校名変更し、近年新たな風となっている明桜が対戦。選手達の意気込みは、まさに対決の構図そのものでした。

「100回大会だからこそ、自分達が伝統をつながなければ」と秋田商業。かたや「99回・100回と連覇して、伝統を作りたい。秋田のサッカーを変えたい」と明桜。思いがぶつかり合った決勝は、明桜が前半27分に相手のオウンゴールで先制します。

秋田商業が後半15分、県大会初先発で、DF登録ながらFW出場の畑村匠毅選手のゴールで同点に追いつくと、1対1のまま延長戦も終了しました。

10人に及ぶPK戦で全員がキックを成功させた秋田商業は、最後にGK佐藤秀人選手が明桜のキックを止めて、全国最多46回目の出場を決めました。

敗れた明桜・内藤蒼空主将は「明桜が強くなっていくためには、よい敗者でなければ」と胸を張り、泣き崩れる後輩に声をかけて回りました。

勝った秋田商業・中野宏宣主将は「戦う・走る・守るという秋商らしさを発揮できた結果」と涙ながらに喜びました。

勝者と敗者は分かれましたが、未来につながるそれぞれの伝統をまた一つ積み上げた100回大会・秋田の決勝でした。

優勝を果たしても、相手チームに対する敬意から、監督の胴上げはこれまで一度もしてこなかった秋田商業は、「相手への敬意」その伝統も引き継ぎ、秋田県全チームの思いを背負って、全国大会に挑みます。

※写真は、秋田商業・中野宏宣主将(左)、明桜・内藤蒼空主将(右)

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/秋田放送)
 

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