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2021

12/16

【高校サッカー展望・埼玉】名将同士の決勝 延長の劇的弾で西武台が11年ぶりに全国の舞台へ!

第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。埼玉県代表の西武台は29日に一回戦で、三重県代表の三重と対戦します。埼玉のサッカーの歴史を紐解きながら、県大会決勝戦の模様を振り返り、全国での戦いを展望します。

■埼玉の歴史

1950年代~1970年代にかけて浦和、浦和西、浦和市立、浦和南といった浦和勢の時代が続きました。1981年の第60回大会では、31歳の大山照人監督率いる武南が2回目の優勝を飾り、勢いそのままに全国制覇を成し遂げました。

1980年代に入ると、武南と大宮東がしのぎを削り、1990年代は浦和南から異動した野崎正治監督率いる浦和東が勢力を強めました。2000年代以降、武南や浦和勢に加えて、西武台、正智深谷、昌平といった私学勢が台頭しています。

■100回目の決勝戦は、浦和南vs西武台

決勝に進んだのは3年ぶり13回目の選手権を目指す浦和南と、11年ぶり4回目の選手権を目指す西武台の対戦となりました。浦和南は今大会ここまで無失点。対する西武台は16得点1失点と攻守に安定した戦いぶりを見せています。野崎監督対守屋監督の名将同士の対決でもあります。

■怖さvs怖さ

浦和南は割り切った戦術でスタート。前に人数をかけず、ロングボールとロングスローで陣地を回復します。「相手の長所であるカウンターとスピードを消すために分析してきました」と語ったのはキャプテン・坪井優太選手。西武台もトリプルボランチでセカンドボールの回収に努めます。

決勝戦を前に守屋監督は怖さを知ることの大事さを選手に説きました。「ある程度これだけ長い時間を戦っているので、私は野崎先生の怖さを知っていると。どのチームに対してもリスペクトして、その怖さを自分たちで自由に扱える、しっかりと対応できるようにしていこうと」。

相手の怖さを十二分に知った西武台は、ゴールを奪えない時間が続いても焦る様子はなく、じわりじわりと浦和南を押し込みます。

■残り3分

PK戦もみえてきた延長後半7分、スローインから丸山実紀選手がクロス、そこに飛び込んだのは左SB・安木颯汰選手でした。打点の高いヘディングは、ここまで無失点の浦和南GK・黒田海渡選手の指先をかすめ、ネットを揺らします。安木選手は一目散に応援席へ。守屋監督もベンチから飛び出し、ランニングジャンピングガッツポーズ。

限られた時間のなかで浦和南も反撃に出ますが、無情にもタイムアップ。西武台が11年ぶりに全国の切符を掴みました。

■優勝校コメント、原田蓮人キャプテン

――延長戦での心境

「PK戦になったとしてもしっかりと練習してきたので、勝てる自信はありました。その自信が決勝点に繋がったと思います」

――選手権にむけて

「ここからがスタートラインだと思うので、あと1か月、本気で練習して全国でも優勝したいです」

※写真は喜びを爆発させる西武台の選手たち

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/テレビ埼玉)
 

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