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2021

12/28

【高校サッカー軌跡・長野】強豪相手に真っ向勝負 巻き起こした上田西

第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕しました。初出場の長野県代表・長野市立長野(通称:市立長野)の初戦は31日の2回戦で東山(京都)と対戦。今回は、長野県代表の全国での戦いを振り返ります。

■県内の歴代代表校は

長野県勢として初めて選手権に出場したのは1956年度。松本深志が全国の舞台に立ちました。これまでに全国に出場したのは、17校。過去最多出場は松商学園の13回となっていますが、その多くが3回戦の壁に阻まれてきました。

■巻き起こした上田西旋風 県勢初のベスト4

長野県代表の最高成績は96回大会に出場した上田西。全国の強豪校を相手に、全員でひたむきに守り、ゴールを目指し走り続けました。1つ勝ちあがるたびに選手たちは成長し、快進撃を見せました。

84回大会以来12年ぶり2回目の全国大会出場を果たした上田西。白尾秀人監督は勝つことに執着し、全てのことを全力でやりきることを指導し続けてきました。冬場は走り込みを強化し、伝統の「全員守備・全員攻撃」に磨きをかけました。大久保龍成キャプテン(現・上武大)が中心となりラインを統率しながら相手の攻撃を跳ね返し、長身で足元の技術、スピードを兼ね備えたエース根本凌選手(現・鹿屋体育大・湘南特別指定選手)へとつなぐスタイルが確立しました。

初戦(2回戦)で準優勝経験がある京都橘から大会初勝利をもぎ取ると、3回戦では、帝京大可児(岐阜)から大量5得点を奪い、県勢として41年ぶりのベスト8に入りました。明秀日立(茨城)との準々決勝では、この大会初めて失点を喫するも、「蹴って走る」ことを貫き続け、県勢初の準決勝進出を決めました。快挙に大久保キャプテンは「自分たちのやりたいことを徹底できた」と興奮気味で語りました。

準決勝では前橋育英(群馬)と対戦。多くのJリーガーを輩出する相手に武器のロングスローを封じられ、防戦一方に。それでも上田西はスタイルを崩すことはありませんでした。この大舞台で許したシュートは31本。放ったシュートは根本選手の1本。しかし、このシュートがこの大会唯一、前橋育英のゴールネットを揺らしました。6得点を奪われたものの、真っ向勝負を挑んだ姿にスタンドからは大きな拍手が送られました。

※写真は96回大会ベスト4の上田西キャプテン・大久保龍成選手

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ信州)
 

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