第100回全国高校サッカー選手権大会は12月28日に開幕します。1回戦で、北海道代表の北海高校は29日に長崎総合科学大学附属高校(長崎)と対戦。10月24日に行われた決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。
■北海(2大会ぶり11回目)
第57回全国高校サッカー選手権大会で室蘭大谷(現北海道大谷室蘭)が記録した準優勝は、今なお北海道代表の最高成績です。雪国のハンディを乗り越え全国へ力を見せ続けた室蘭大谷を倒すため各校が力を付け、2000年以降は群雄割拠の時代に突入しました。
今大会で代表切符を勝ち取った北海は1回戦から1戦必勝で勝ち上がりました。特に決勝の旭川実業戦は、決勝史上7大会ぶりにPK戦までもつれ込む死闘となりました。試合終了後の会場では両校への温かな拍手が鳴りやむことは暫く無く、元コンサドーレ札幌DF大森健作さんも「どちらも最後まで戦い、素晴らしい決勝でしたから」と感嘆の声を漏らしました。
旭川実業は夏の北海道王者で、プレミアリーグ参入戦にも出場した実力校です。一方の北海は夏の全道大会で初戦敗退。北海は主導権を握られる時間が長くなりました。ただ、西椋弥選手(3年)が「絶対に受け身にならず」と話した通り、DFラインを下げすぎず自陣へ侵入してきたボール保持者へ強度の高いチャレンジ&カバーを継続。3倍近い11本のシュートを浴びながらも無得点に抑えました。
そして0-0で迎えた延長後半10分、プラン通り島谷制勝監督が動きます。PK戦に強いGK神宮快哉選手(3年)を投入しました。指揮官は「(伊藤)麗生の後ろに神宮がいるのが強み」とサッカーノートへ記すほど、手足の長さをいかしたセービングに期待を寄せています。起用に応え、PK戦では旭川実業の4人目のキックを見事止め勝利を手繰り寄せました。一方の北海は5人全員が決め、2大会ぶり11回目の優勝を決めました。
優勝後、キャプテンの伊藤麗生選手(3年)は「勝ちたい気持ちを全員が100%プレーに込めることが出来ていた。まだまだ下手くそだけれど、泥臭く戦えば全国大会も勝機はある」と一切表情を崩さず振り返りました。
北海道のライバル校との戦いで表現できた本気を基準に、目標の17大会ぶり全国選手権1勝へ、チーム一丸前進していきます。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/札幌テレビ放送)
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