100回目を迎える全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕し、富山代表の富山第一は31日に行われる二回戦で、宮崎日大(宮崎)と対戦します。
11月6日に行われた富山県大会の決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。
■富山第一(7大会連続32回目)
爽やかな秋空のもと行われた富山県大会決勝は、7大会連続32回目の出場を目指す富山第一(準決勝まで4試合32得点1失点)と25大会ぶり5回目の出場を目指す富山工業(準決勝まで4試合17得点3失点)の一戦となりました。
決勝での対戦は17大会ぶりとなったこのカード、前半は風上に立つ富山工業がペースを掴みました。持ち味である前線からの素早いプレスで富山第一のミスを誘って攻撃の起点を作ると、攻守の要である前田暖人選手(3年)がロングシュートを放つなど積極的にゴールを狙います。
対する富山第一も試合が進むにつれて、富山工業の強度の高いプレスに適応し始め、得意のサイド攻撃やセットプレーからチャンスを作ります。
前半23分には、パスに抜け出した富山第一の及川元太郎選手(3年)がGKをかわしてシュートを放ちますが、富山工業の守備陣がブロック。さらにこぼれ球を押し込もうとするも、再び体を張った守備を見せ、富山工業が前半最大の決定機を防ぎます。
スコアレスで迎えた後半は、富山第一が試合を優位に進め、多くの時間を相手陣内でプレーする展開になりました。
試合の均衡が破れたのは、後半34分。左サイドを支配し、再三にわたり決定機を演出していた片山大治郎選手(3年)が得意の左足でグラウンダーの鋭いクロスをあげると、GKが弾いたボールを最後は吉田圭佑選手(3年)が左足で押し込み、待望の先制点を決めます。
試合終盤に生まれた殊勲のゴールで富山第一が県大会7連覇を果たし、新しい国立競技場で開催される選手権への切符を掴みとりました。
8大会前、改修前最後の国立競技場で行われた選手権で日本一に輝いた富山第一。試合後のインタビューで大塚一朗監督は「全国制覇をした時、国立で見た夕日が忘れられない。もう一度あの国立の夕日をみんなで掴みにいきたい」と二度目の頂点に向けて意気込みを語りました。
今の3年生は、当時小学4年生。あの光景に憧れを抱き、富山第一に入学した選手たちです。「国立最後の王者として、最初の国立も優勝したい」と話すキャプテンの渡邊快誠選手。“国立最蹴章”の王者富山第一が、新たな国立競技場での最初の王者を目指します。
【近年の富山県代表の成績】
92回大会で富山第一が県勢初の全国制覇。現在、富山県勢は8大会連続で初戦突破。富山第一は98回大会でベスト16、99回大会ではベスト8進出。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/北日本放送)
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