１２月２８日に開幕する第１００回全国高校サッカー選手権。福井代表の丸岡は２９日の１回戦で阪南大高（大阪）と対戦します。４大会連続の初戦突破を目指すチームの注目選手と特色を紹介します。

■前線からのプレスからのボール奪取がカギ

丸岡は県大会４試合で４２得点１失点。前線からプレスをかけてボールを奪う堅守速攻型のチームで、攻撃的なカウンターサッカーが武器です。「謙虚に、ひたむきに、粘り強く」というチームスローガンのもと、徹底した守備からボールを奪い、サイドを使ってゴール前へと速くボールをつなぎます。

北陸高校と激突した福井大会決勝の先制点は左サイドの崩しからで、明間歩選手（３年）のクロスに水口善都選手（３年）が頭で合わせました。その後も、「奪ったらすぐ前へ」という意識で大量５得点。小阪康弘監督は「今年やってきたことを追求できた試合だった。早い時間帯に狙い通りに点が取れたので、その後も落ち着いた試合運びができた」とコメントしました。

■“つなぐ意識”と“一体感”で勝利を

小阪監督は「昨年や一昨年に比べて、今年は飛び抜けた選手がいない」と話します。しかし「その分チーム全体で戦うことができており、例年よりもパスがつながる」と強みとも考えています。サイドを使った速い攻撃に加えて、パスサッカーに近い“つなぐ意識”も今年のチームの特長です。

キャプテンの横山潤成選手（３年）は、「チームをまとめるうえで大事にしているのは“一体感”。全員が同じ思いを持てるように意識している」と話しました。受験のため自身が県大会３回戦を欠場したときも「自分の受験も大事だが、チームのことが頭から離れなかった」という仲間思いのキャプテンが、４大会連続の初戦突破を狙うチームの精神的支柱です。

攻撃の中心は、１１月のＵ－１７日本高校サッカー選抜トレーニングキャンプに参加した小関晴人選手（２年）。全国大会では丸岡の１０番を背負うこととなりました。持ち味は「裏への抜け出し」と話す小関選手は、全国大会初戦に向けて「裏に走る形やクロスに合わせる形で得点したい。自分の持ち味以外でも活躍したい」と語っていて注目です。

（取材・文：高校サッカー選手権民放４３社／福井放送）