12月28日に開幕する第101回全国高校サッカー選手権大会。三重県代表は津工業高校が15年ぶり3回目の全国選手権出場を決めました。11月21日に行われた組み合わせ抽選の結果、津工業高校は12月28日の開幕戦で東京都B代表・成立学園高校と対戦。地区大会決勝を振り返り、全国の戦いを展望します。
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三重県大会は県立高校同士の決勝戦。夏のインターハイで全国ベスト16の結果を残した四日市中央工業高校を準決勝で破り勢いに乗る宇治山田商業高校と、全国ベスト4達成以来15年ぶり3回目の全国選手権出場を狙う津工業高校の一戦となりました。
両チームにとって、3年間で初めての選手権三重県大会の決勝戦で、緊張感のある立ち上がりを見せる中、序盤は宇治山田商業が素早くパスを回しながらフィニッシュに持ち込み、クロスバー直撃のシュートを放つなど決定的なチャンスを作ります。
一方、15年前、藤田一豊・前監督(現アドバイザー)のもと、全国ベスト4を達成し、パスサッカーを伝統とする津工業は、ロングボールを織り交ぜながら、徐々に相手陣内に攻め込む時間を増やします。
三重県大会の決勝は過去10年で見た場合、先制したチームの勝率は90%。先制点が重要な意味を持つ中、迎えた前半28分、津工業はショートコーナーから、キャプテン10番の庄司壮晴選手が頭で押し込み、先制に成功。津工業が1点リードで前半を折り返します。
さらに後半11分、今度はカウンターから、先制ゴールをマークしたキャプテンの庄司選手が左サイドでボールを受けると、ドリブルでボックス内に侵入。シザースで相手DFを翻弄し、最後は左足を振り抜いて宇治山田商業のゴールネットを揺らしました。キャプテンの2ゴールで15年ぶりの全国選手権をさらに手繰り寄せた津工業。
守っては三重県大会無失点の守備陣が安定感を見せ、DFラインを下げないコンパクトな守備で宇治山田商業の攻撃をシャットアウト。津工業が宇治山田商業を2対0で破り三重県大会を無失点優勝。15年ぶり3回目の全国選手権をつかみ取りました。
就任6年目で監督としては初めての全国大会出場となる、片野典和監督(45)は「試合に出た選手だけでなく、ベンチや、応援席の3年生、皆の力で勝ち取れたものだと思います。開幕戦はもっているなという感じ。新しくなった国立競技場で良いサッカーを披露したい」と話しました。
また、決勝戦で2ゴールの活躍を見せたキャプテンの庄司選手は「2点目は自分の得意な角度からだったので良かったです。開幕戦を引きあてた時は本当にびっくりしましたが、とにかく嬉しい。開幕戦で勝って、もう一度国立競技場に帰ってきたい」と意気込みました。
15年前、全国を席巻したパスサッカー。かつての国立競技場でプレーした津工業が新しくなった新国立競技場で再び躍動します。
※写真は2ゴールを挙げたキャプテン・庄司壮晴選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/三重テレビ放送)
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