次なる100年に向け新たなスタートを切る第101回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。宮崎県代表として3年ぶりに出場する日章学園は、12月29日の1回戦でインターハイチャンピオンの群馬県代表、前橋育英と対戦します。宮崎県大会決勝戦の戦いを振り返り、全国での戦いを展望します。
◇ ◇ ◇
宮崎県大会の決勝戦は、県内最多15回の全国出場を誇るも、ここ2年間ベスト4で涙をのんでいる日章学園とノーシードから勝ち上がり、勢いに乗る都城農業の一戦となりました。
序盤、日章学園はJ3宮崎内定のボランチ、金川羅彌選手(3年)を中心に自慢のパスサッカーを繰り広げ、何度もチャンスを作りますが、都城農業のセンターバック德重瑠佳キャプテン(3年)を中心とする泥臭い守備の前に、なかなかゴールを奪うことができません。
ようやく試合が動いたのは、前半28分。日章学園の金川羅彌選手からのパスを受けた石崎祥摩選手(3年)が左足を振り抜き、待望の先制点を上げます。
ここから日章学園の強力攻撃陣が火を噴き、先制点のわずか2分後には前線でボールを奪った田上遼馬選手(2年)が冷静に押し込み追加点をあげます。その後も日章学園は攻撃の手を緩めることなく、前半だけで5点を奪いました。
後半も日章学園の勢いは止まらず、田上遼馬選手と途中出場の高岡伶颯選手(1年)がハットトリックを達成。
都城農業は心身ともに厳しい状況の中でも決して気持ちを切らすことなく、最後まで体を張り続けましたが、日章学園が圧倒的な攻撃力を見せつけ、12-0で快勝。3年ぶりに全国への切符を手にしました。
試合後、日章学園の原監督は「(日章学園が掲げる)技術力と判断力を活かし、ボールを握りゲームを支配するという普段トレーニングで積み上げてきたことが表現できた結果だと思う。全国大会は相手の強度もさらに上がるので、やるべきことを確実にやることはもちろん、相手の良さを消すしたたかさも身につけて戦っていきたい」と語りました。
チームを率いる工藤珠凜キャプテン(3年)は「インターハイではベスト16という悔しい結果に終わっているので、まずはその壁を越え、目標である日本一に向かって突き進んでいきたい」と意気込みを語りました。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/ 宮崎放送)
シェアする