過去100回の歴史がある全国高校サッカー選手権大会。101回大会は12月28日に開幕します。福井県大会決勝は11月6日に行われました。5連覇を狙う丸岡と12年ぶりに決勝に進出した啓新の戦いは、劇的な展開となりました。決勝戦を振り返り全国での戦いを展望します。
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福井県では絶対王者の丸岡高校は5年連続33回目の全国を目指し、インターハイを含め初の全国舞台を目指す啓新高校と決勝で対戦。決勝のカードとしては12年ぶりです。
前半の立ち上がりは両者とも動きに硬さがあったものの、徐々に試合は丸岡ペースに。前半28分、左サイドの中川優斗選手(3年)がグラウンダーのクロスを入れ、キーパーがはじいたところに、詰めていた小関晴人選手(3年)のシュート。丸岡が先制しました。
さらに丸岡は前半アディショナルタイムにコーナーキックからのこぼれ球を徳山港音選手(3年)がゴール左隅に決めて2点リードで折り返します。
エンドが変わった後半開始早々(後半2分)、2点を追う啓新はハーフウェーライン付近でフリーキックを獲得。途中出場の江並風眞選手(3年)がゴール前で落としたところに宮地幹選手(3年)が走りこんで得点。点差を縮めます。
このあと、丸岡にアクシデント。キーパーの山本貫太選手(2年)が足の負傷で交代。丸岡のゴールは同じく2年生の清水唯太選手が守ります。
1点を追う啓新は後半33分、シンプルに長いボールでつなぎ、右サイドからのクロスに坂田旺翼選手(3年)がヘディング。キーパーがはじいたボールを江並選手が押し込み同点。とうとう試合を振り出しに戻しました。
2対2のまま後半のアディショナルタイムは3分の表示。試合は膠着状態で目安の3分を30秒ほど過ぎ、多くの人が延長戦に突入すると思っていたその時でした。丸岡のシンプルなカウンター。川下恭太郎選手(2年)が右サイドを駆け上がり、最前線の小関選手にパス。ディフェンスを1枚はがしてキーパーとの位置を見極め、ニアサイドを狙ったボールがゴールネットを揺らし3対2。小関選手のこの試合2点目とともに主審の笛が鳴り試合終了。劇的な幕切れで丸岡が全国大会出場を決めました。
丸岡・小阪康弘監督は「選手が追い付かれてもブレなかったというところが勝因だと思う」と語り、主将の山田健太選手(3年)は「去年の全国大会で悔しい思いをしたのでその借りを返せるようにもう一度チームとして頑張っていきたい」と意気込みを話しました。
全国高校サッカー選手権大会は12月28日に開幕し、1回戦で福井代表の丸岡は29日に高知(高知)と対戦します。
※写真は左:主将の山田健太選手/右:先制点、決勝ゴールを決めた小関晴人選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/福井放送)
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