第101回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。1回戦で、北海道代表の北海は29日に国見(長崎)と対戦。開幕を前に、10月23日に行われた北海道大会決勝を振り返り、全国大会を展望します。
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2大会連続12度目の出場がかかる北海と41大会ぶり3度目の出場を目指す札幌光星の決勝は、1点を争う好ゲームとなりました。試合開始早々、キックオフからの流れで獲得したCKから、田中準人選手(2年)が狙い通りフリーとなり北海が先制します。
札幌光星も前半のうちに川合流央選手(3年)のPKで同点に追いつきますが、後半6分に「北海の3年生と1分1秒でも長くサッカーがしたい」と試合前から話していた野村光希選手(2年)の右足から決勝点がうまれました。「大事な試合にかける思いが強くなった」と先輩からも信頼される2年生コンビの活躍は素晴らしかったのですが、この試合最も光ったのは北海の選手達の対応力でした。
札幌光星は再び1点を追う展開となった直後、試合では初めて使うフォーメーションに変更し勝負に出ました。かつてジュビロ磐田が採用した「N-BOX」からヒントを得た秘策。片岡龍音選手(1年)を配球役として中央に据え、各選手の長所をいかしダイナミックに北海ゴールへ迫ったのです。北海のスタッフ・選手は虚を突かれました。
しかし程なくして、DF陣からマークの付き方に関する指示が前線の選手たちへ飛び始めました。後ろから聞こえる仲間の声を信じ各々のタスクを整理出来たことで、札幌光星のリスクを恐れない攻撃に押し込まれながらも最後の最後まで体を張り続けられました。
優勝後、主将・桜庭平良選手(3年)が口にした「決して上手な選手はいません。しかし自分達がやれる事を全員で徹底することは出来ます」の言葉。島谷制勝監督のもと磨いてきた自主性と勝利への執着心を武器に、18大会ぶりの選手権全国大会1勝をまずはつかみ取ります。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/札幌テレビ放送)
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