第101回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。青森代表・青森山田高校は12月31日の2回戦で広島代表・広島皆実高校と対戦。県大会決勝を振り返り、全国の戦いを展望します。
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青森決勝は6年連続の同一カード対決となりました。26年連続28回目の出場をめざす青森山田と初出場をめざす八戸学院野辺地西の一戦。
ともに4-4-2のシステムを採用し、攻守が入れ替わる展開で始まった試合は、序盤から青森山田がロングスローから得点機をうかがう中、八戸学院野辺地西も前線から守備をし、持ち前のパスサッカーで繋ぐ場面も見られます。
試合が動いたのは前半10分、青森山田はフリーキックのこぼれ球を右サイドから2番・渡邊来依選手(3年)のアーリークロスから交錯プレーを制した4番・三橋春希選手(3年)がヘディングで押し込み先制します。
しかしその後、試合は膠着状態に。青森山田は幅を使った攻撃やセットプレーと多彩な攻撃を展開するも、八戸学院野辺地西のGK西野春徹選手のファインプレーやキャプテン・布施颯大選手(3年)や5番・齋藤晃葵選手(3年)らDF陣の守りが光り追加点を許さず、青森山田1-0のリードで前半を折り返します。
後半、八戸学院野辺地西はキープ力のある10番・金津力輝選手(3年)がアンカーのポジションに入り攻撃を仕掛け始めた後半15分、13番・山端琉央選手(3年)が交代前のラストプレーで、ペナルティエリアわずかに外で倒れフリーキックを獲得すると、4番・高木和選手(2年)が鮮やかに直接決めて、1-1の同点に追いつきます。
その後、試合は一進一退の展開となり、お互いに譲りません。総力戦となり選手交代も行われる中、青森山田は後半29分、怪我から復帰したキャプテン多久島良紀選手(3年)がセンターバックとして投入されます。試合は前後半で決着つかず、1-1のまま3年ぶりの延長戦に突入します。
延長戦に入っても両チームは集中力を保ち、運動量を落とさず、得点を狙います。延長後半8分、ついに均衡を破ったのは前回王者でした。11番・奈良岡健心選手(3年)のワンタッチスルーパスからエース10番・小湊絆選手(3年)が流し込み決勝点。延長戦を2対1で制した青森山田が26年連続28回目の全国大会出場を決めました。
試合終了の瞬間、監督として最後の大会となった黒田剛監督の目にはうっすらと涙が光っていました。「ひとつずつ勝利を積み重ねていく生徒たちは凄いなと思います」と選手たちを称えていました。
多久島良紀キャプテンは「自分たちは結束力があるチームなので一致団結して強化していき連覇をめざす」と力強く誓いました。
黒田監督は全国大会では総監督へ、チームは正木昌宣監督として新体制となり挑む全国大会はチーム史上初の2連覇をめざす戦いが待っています。
【近年の青森県代表の成績】
95回大会で青森山田が初優勝
97回大会で2度目の優勝
98・99回大会と2大会連続で準優勝
100回大会で3度目の優勝
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/青森放送)
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