101回目を迎える全国高校サッカー選手権が12月28日に開幕を迎えます。富山県代表の富山第一高校は12月31日に行われる2回戦で山口県代表の高川学園高校と対戦します。11月5日に行われた富山県大会の決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。
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富山県大会決勝は、8連覇を目指す富山第一(準決勝まで3試合29得点無失点)と初優勝を目指す高岡第一(準決勝まで4試合30得点1失点)が対戦しました。
夏の県高校総体決勝と同じ顔合わせとなった試合は、序盤から激しい球際の攻防が繰り広げられ、互いに決定機を作らせない拮抗した展開となりました。
試合が動いたのは前半36分。スルーパスに抜け出した富山第一の森川直哉選手(3年)が右足を振り抜き、先制点を決めます。勢いに乗った富山第一は直後の前半37分。左サイドでパスを受けた大矢悠太郎選手(3年)が利き足ではない右足で強烈なミドルシュートを決めて追加点。富山第一が2点リードで前半を終えます。
後半も主導権を握った富山第一が得意のサイド攻撃から何度も決定機を作りますが、高岡第一のGK片山蒼大選手(3年)が好セーブを連発し、チームを救います。
それでも後半16分、右サイドを突破したDF深井仁選手(3年)のクロスを多賀滉人選手(2年)が押し込んで、決定的な3点目。最後まで安定した試合運びを見せた富山第一が3-0で勝利し、8連覇を達成しました。
今大会は富山第一にとって新体制で臨む初の選手権でした。10年間指揮を執り、92回大会ではチームを初の全国制覇に導いた大塚一朗前監督が、前回大会終了後モンゴル代表監督に就任。部長を務めていた柳野年秀さんが新たに指揮官となりました。
柳野監督は「監督が代わって個人的にもチーム的にもプレッシャーはあったが、選手たちがよく頑張って良い結果を出してくれた。新“富一”として新しい歴史を作れるよう一生懸命頑張りたい」と選手たちを労いました。
また県勢最多122人のサッカー部のキャプテンを務めるGK辰島尚悟選手(3年)は「国立は自分が夢見た場所。国立に立つことを目標に3年間頑張ってきたので、死ぬ気で最後の選手権を戦いたい」と9大会ぶりの全国制覇へ意気込みを語りました。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/北日本放送)
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