12月28日に幕を開ける第101回全国高校サッカー選手権。31回目の全国出場となる石川県代表・星稜は、29日の一回戦で東山（京都）と対戦します。星稜の注目選手とチームの特長を紹介します。

■伝統と選手の個性
これまでの星稜の特長といえば、河﨑護前監督が確立した前線からのハイプレスと両サイドバックも絡んだサイド攻撃。今年就任4年目の河合伸幸監督は、そこに選手たちの個性を取り入れる事を意識してチームを作ってきました。

■持っているドリブラー　宮前匠真選手
これまで組織的な守備をベースに戦ってきた星稜において、攻撃のスイッチを入れる役割を担うのが左サイドでドリブルが強みの宮前匠真選手（3年）です。縦に鋭く仕掛けていくスピードに加え、ことし6月の石川県総体決勝では決勝ゴール、さらに選手権の石川県大会決勝でも先制ゴールと、いわゆるチーム1の「持っている男」。河合監督も「3年間で一番伸びた選手」と大舞台での勝負強さを認める攻撃の中心です。

憧れの選手は日本代表の三笘薫選手。県大会での背番号12番から、全国では三笘選手がワールドカップでつけた9番に変更。選手権での活躍を誓っています。

■攻守に光る「個」の力
その宮前選手と並び攻撃の中心となるのが、キャプテンも務め、得点への貪欲さが魅力のFW山下陸選手（3年）。新チームのキャプテン就任以来、そのプレッシャーに悩んだ時期もありましたが、スタッフやチームメートの支えにより、精神的に大きく成長。心掛けている「ゴールから逆算したプレー」で得点量産を狙います。

守備ではGKの加藤夕暉選手（3年）が抜群の安定感で君臨。2年時はPK職人として力を発揮していましたが、3年になって持ち前のコーチングと思い切りにも磨きをかけてきました。チームからの信頼厚い守護神です。

■守備を磨き上げ全国制覇を目指す
河合監督自身、初めての全国となった99回大会では作陽（岡山）に2対2からPKで敗戦。100回大会ではトルメンタ旋風を巻き起こした高川学園（山口）に2対4で敗戦と、全国未勝利。「全国では守備が大事。失点をしない事、得点はセットプレーがポイント」と語ります。

先輩たちから受け継いだ伝統と選手たちの個性が融合した新しい星稜。93回大会以来の全国制覇を目指します。
※写真はチーム１の“持っている男”宮前匠真選手(３年)

（取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ金沢）