12月28日に開幕する第101回全国高校サッカー選手権。2大会ぶり5回目の出場、秋田代表の明桜は31日に飯塚(福岡)と対戦します。明桜のチームの特長と注目選手を紹介します。
■強豪に揉まれ成長を遂げた1年
今シーズン、明桜はプリンスリーグ東北に初参入し、これまでなかなか対戦することのなかった東北の強豪校やクラブユースとの連戦を経験しました。自分たちを上回る走力や球際の強さを肌で感じ、結果を出せない現実に落ち込む選手も多かったといいます。
しかし、就任5年目の原美彦監督と共に『前進』というテーマを掲げ、苦しい時こそ立ち向かう気持ちが大切だとお互いを励ましながら前に進んできました。プリンスリーグ全18試合中、明桜は3勝にとどまりましたが、最終盤で勝ち越しゴールを奪った試合もありました。苦しい試合を戦い抜き培ったメンタルと、ここぞの勝負強さで、全国大会に臨みます。
■前線でチームを引っ張る中学年代からの絆
明桜の前線でチャンスメイクを担うのは、2大会前に当時の1年生で唯一全国大会の先発を経験したFW佐藤拓海主将と、左サイドのドリブラーで地元秋田県横手市出身のFW藤山成弥選手です。
2人は中学生時代、ベガルタ仙台のジュニアユースでツートップを組んでいました。次のステップとして同じ高校でのプレーを希望し進学先に迷っていた中で、2人は明桜・原監督から声をかけられたといいます。
岩手出身の佐藤主将は、当時「明桜」という学校名すら知らなかったそうですが、「秋田の高校サッカーを一緒に変えたい」という原監督の情熱に惹かれ、2人そろって明桜に進むことを決めました。3年間、原監督から「チームを勝たせられる選手になれ」と言われ続けてきた2人の攻守にわたるチームのためのプレーに注目です。佐藤拓海主将は「後輩たち、これから明桜に入る選手や明桜の将来のためにも全国大会で結果を残したい」と力強く話していました。
これまで明桜は前身の秋田経済法科大学付属時代を含めて4回全国選手権大会に出場しましたが、いずれも初戦で敗れています。5回目の出場で目指すのは、初白星とその先の躍進です。苦しくても決して足を止めない『前進』の言葉を胸に、31日の初戦に臨みます。
※写真は佐藤拓海主将(左)/藤山成弥選手(右)
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/秋田放送)
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