第101回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。大分県代表の大分高校は29日に聖和学園(宮城)と対戦します。11月5日に行われた大分県大会決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。
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大分決勝は、創部40年目にして初の全国出場を目指す大分南(準決勝まで4試合10得点4失点)と3大会ぶり県内最多12回目の出場を狙う大分(準決勝まで4試合で41得点2失点)の一戦となりました。
大分南は“最後の1秒まで走りきれ”のスローガンのもと、三重野英人監督がどの高校にも走り負けないチームを作り上げてきました。毎週火曜日にはボールを使わず走り込みに特化したメニューを取り入れ、坂道ダッシュや校舎の階段を4階まで片足で上るなど足腰を鍛え抜いてきました。また、毎年夏に行う山間部での合宿では4日間で100kmもの距離を走りこむなど自他ともに認める「県内最高峰の走力」を持つチームです。
一方の大分高校は、大分中学から熟成させてきた伝統のパスサッカーが武器。メンバーの多くが大分中学から6年間共にプレーしておりスピーディーな中でも抜群のコンビネーションで相手ゴールに迫ります。今大会準決勝まで4試合で41得点2失点という驚くべき攻撃力を秘めています。
決勝は開始直後から両チームの激しい攻防が繰り広げられます。大分高校がパスをつないでゴール前まで運べば、大分南は集中した守備でゴールを死守し大分高校にいい形でシュートまで打たせません。大分高校の攻撃を防いで大分南がカウンターを狙うシーンもあり序盤から見ごたえのある展開に。
試合が動いたのは前半30分でした。右サイドでボールを受けた11番・長尾浩希選手がドリブルで斜めに長い距離を持ち運んで、ペナルティエリア内斜め45度からキレのある左足のミドルシュート。これが決まり大分高校が先制に成功しました。
1点を追いかける大分南は、右サイドの9番・本住蓮選手がシュート性のクロスを放ち同点ゴールを期待させるシーンを作り出します。
大分高校の追加点は後半のアディショナルタイムでした。7番・青山京志郎選手がペナルティエリアの中でボールを受けるとターンしながら相手DFをかわして冷静にゴールに流し込んで2点目。大会得点ランキング1位の青山選手の11ゴール目が生まれた瞬間でもありました。
さらにその2分後、大分高校2番・安田晴翔選手が右サイドから強烈なシュート。大分南GK秦琥太郎選手が一度は弾きますが、そのこぼれ球を大分9番・佐藤翼が押し込んで決定的な3点目。大分高校が3大会ぶり県内最多12回目の全国大会出場を決めました。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ大分)
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