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2022

12/16

【高校サッカー展望・東京B】成立伝統の「パスサッカー」でつかんだ17大会ぶりの全国の切符

今大会で101回目の開催、12月28日に開幕する全国高校サッカー選手権大会。全国最多の337校が加盟する東京都からは國學院久我山と成立学園が全国大会出場を決めました。実に17大会ぶり3回目の全国を決めた成立学園。東京都の決勝では名門・国士舘と1点を争う接戦を制して勝ち上がりました。決勝戦を振り返り全国での戦いを展望します。

◇ ◇ ◇

17大会ぶりの全国を目指す成立学園の相手は、全国を4回経験している強豪の国士舘。かつて千葉・流通経済大柏を全国優勝に導いた名将・本田裕一郎氏が2020年からテクニカルアドバイザーを務めています。両校の決勝戦は開始早々にゴールが生まれるなど激しい攻防が繰り広げられました。

先制ゴールはキックオフから、わずか1分26秒で飛び出しました。成立学園自慢のパスサッカーで国士舘の守備を翻ろうすると、最後はペナルティエリア手前でボールを受けたFW柏田凌佑選手(3年)が左足を一閃。前日に負傷者が出た影響で急遽スタメンに抜擢されたストライカーがいきなり期待に応えました。

勢いづいた成立学園は、絶対的な司令塔MF陣田成琉選手(3年)を中心にテンポ良くパスをつなぎ、「成立学園の三笘」ことMF渡辺弦選手(3年)のスピードあふれるドリブル、さらに独特のボールタッチが自慢のMF 武田悠吾選手(3年)がクロスバー直撃のシュートを放つなどチャンスを作っていきます。

国士舘は自慢のハイプレスを仕掛けますが、成立学園の速いパス回しの前にうまく剥がされてしまいボールを奪うことができません。前半は成立学園ペースで進み1-0で終えます。

1点を追いかける国士舘。ハーフタイムには「本田テクニカルアドバイザーに活を入れていただきました」(キャプテンDF山本辰樹選手)と気合いを入れ直したイレブン。その効果がすぐに表れます。後半立ち上がり、キャプテン山本選手が得意のロングスローでゴール前にボールを送ると、184㎝長身FW手塚令恩選手がバックヘッドでゴール。

後半3分、試合は振り出しに戻ります。ここからは一進一退の攻防が続きますが、均衡を破ったのは成立学園伝統の「パスサッカー」でした。後半20分、キャプテンMF八木玲選手(3年)が起点となったパス回しから、最後は「試合に出ていない3年生の分もしっかり頑張らないといけない」と先発唯一の2年生、MF横地亮太選手が抜け出しGKをかわしてゴール。練習の大半をパス練習に費やすという成立学園のパスサッカーで待望の勝ち越しゴールを奪います。

試合の流れと自信を取り戻した成立学園。必死に攻め続ける国士舘の攻撃も、DF藤井利之選手(3年)を中心にはね返し得点を与えず試合終了。成立学園が17大会ぶりの東京制覇を成し遂げました。

「自分たちのサッカーをやり通そうというテーマのなかで、少しはボールを動かすことができたかな」と振り返った成立学園の山本健二監督。最後まで伝統の「パスサッカー」を貫き続けた成立学園が101回目を迎える全国の舞台に進みました。

初戦は12月28日(水)国立競技場での開幕戦。相手は三重代表の津工業です。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/日本テレビ)

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