12月28日に開幕する全国高校サッカー選手権。11月6日に行われた高知県大会決勝戦は、新人戦・県体と県内2冠で大会連覇を狙う高知と学校の統廃合で最後の選手権出場を目指す高知西の一戦となりました。前後半、それぞれ早い時間に得点を奪った試合巧者の高知が2大会連続18回目の全国大会出場を決めた決勝戦を振り返り、全国の戦いを展望します。
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第1シードでプリンスリーグ四国所属の高知は、準々決勝からの登場でした。「リーグ戦で苦しい戦いを強いられ、悪い流れのまま大会初戦を迎えてしまった」と大坪裕典監督は振り返ります。
高知工業との準々決勝はPK戦までもつれる展開。しかし、ゴールキーパーの1番・東大稀選手(2年)が9人目を止めて初戦を突破しました。準決勝は逆転で勝利し、決勝に駒を進めました。
苦しい試合を勝ちあがってきた王者・高知は、今大会3試合で19得点、無失点の高知西を序盤から翻弄します。前半3分、100回大会で山口県代表の高川学園が見せた「トルメンタ」を仕掛けてきました。無失点の高知西の守備陣のマークをかく乱し、立て続けにコーナーキックを獲得。
そして、前半5分。ショートコーナーからのクロスに9番・村田楓芽選手(3年)が頭で合わせ先制。さらに後半1分には、13番・大久保天満選手(2年)が右足の強烈なミドルシュートで追加点をあげ、ゲームを優位に進めていきます。
2点を追いかける高知西は、スタンドに集まった在校生や卒業生など約800人の応援を背に徐々に自分たちのサッカーを展開します。ボールを支配し、長短のパスをつないで反撃のチャンスをうかがいましたが、最後までゴールネットを揺らすことはできず試合終了。高知が2大会連続18回目の全国への切符を手にしました。
試合後、高知・大坪監督は「選手たちが準備してきたことがそのまま出た結果」と表情を緩めながらコメント。また、角田颯磨主将(3年)は「まずは去年を超える1勝を挙げて、目標のベスト4に向けて強豪も倒していく」と前回大会のリベンジに燃えています。
高知県代表・高知は12月29日の1回戦で福井県代表・丸岡と対戦。一体感を持ってチャレンジャーの気持ちで全国の壁を越えていきます。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/高知放送)
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