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2023

12/24

【高校サッカー】愛媛・今治東が急成長中!南宇和以来の優勝旗を…再び愛媛に

第102回全国高校サッカー選手権大会 愛媛県大会は、新型コロナで制限されていた声を出しての応援が解禁され、9月23日に開幕。県下45チーム一斉トーナメント方式で行われました。11月12日に行われた決勝は、3年連続決勝進出の「今治東」と12年ぶりの全国を目指す「済美」の対戦。今治東の勝利で幕を閉じた、愛媛県大会決勝を振り返ります。

◇ ◇ ◇

3年連続決勝進出の今治東は、98回大会で初の全国出場を決めると、100回・102回大会も出場。直近5回中3回全国出場を果たす、実力急上昇中の県立中高一貫校です。68回大会、全国優勝した南宇和以降、常勝軍団が不在の愛媛県勢にとって、待望の存在になりつつあります。

指揮を執るのは、公立3校を全国大会に導いた谷謙吾(たに けんご)監督。自身も静岡・清水東で国立を目指した選手権への想いと、南宇和でのコーチ・監督を経験し養った、抜群の指導力で今治東のレベルアップを支えています。

対する済美は、83回大会・創部3年で全国出場を決めたことで注目を集めた私立高校。全国初戦では雪が降る中、エースのハットトリックで勝利し愛媛県中のサッカー少年の憧れとなった学校です。

率いるのはその83回大会、済美ボランチとして出場し、その後、愛媛FCなどで活躍した元・Jリーガー渡邊一仁(わたなべ かずひと)監督。プロ仕込みの技術と情熱で、12大会ぶりとなる全国出場をかけ決勝に挑みました。

応援歌が響き渡る決勝のピッチで、先制したのは今治東でした。前半5分、フリーキックのチャンス。精度の高いキックが持ち味の2年生ウィングバック・岡田瑛斗(おかだ えいと)選手がゴール前に放り込むと、2年生センターバック・越智彪乃介(おち とらのすけ)選手がヘディング。一度はバーに嫌われますが、すかさず詰めた越智選手がしっかり決めきり先制します。

一方、済美は右サイドバック・主将の山口絞生(やまぐち こうき)選手が駆け上がり、ゴール前にクロス。2年生フォワード・沖宮駿(おきみや しゅん)選手が右足を振りぬきますが、枠をとらえることができません。

後半14分、今治東のコーナーキック。センターバック・樋口智大(ひぐち ともひろ)選手が頭で合わせたボールは、済美の2年生ボランチ・深見月哉(ふかみ つきや)選手がブロック。が、ゴールを割った判定に。この2点をしっかり守り切った今治東が2年ぶりの全国出場を決めました。

今治東の王座奪還は簡単な道のりではなかった。主将の三好康介(みよし こうすけ)選手は「リーグ戦でも新人戦でも総体でも全く勝てなかった。チームが崩壊しかけていた。」と振り返りました。

そんな中でも、自他ともに認めるスーパーポジティブなキャプテンは仲間に前向きな声を掛け続けました。「選手権は最後の大会。このままでいいのか…とチームの結束力が高まった。」三好主将の声に奮い立ったチームは、憧れの国立を目指すため結束。新人戦や総体で敗れたチームにこの選手権で勝利し、愛媛の頂点に返り咲きました。「支えてくれた人への感謝の気持ちを忘れず一戦一戦戦う」と語る三好主将。今治東の初戦は12月29日。東京都A代表・堀越高校と駒沢陸上競技場で対戦します。

※写真は先制ゴールを決めた今治東5番・越智彪乃介選手

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/南海放送)

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