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2023

12/23

【高校サッカー】国立の舞台へ駆け上がれ!上州のタイガー軍団 群馬・前橋育英

12月28日に開幕する第102回全国高校サッカー選手権。群馬県からは、上州のタイガー軍団・前橋育英高校が3大会連続で出場します。今回は、前橋育英の群馬大会決勝を振り返ります。

◇ ◇ ◇

決勝の相手は、前橋育英出身の篠原利彦監督率いる健大高崎。ボールを保持する相手に対しプレッシャーをかけ続ける戦術で、4年ぶりに決勝に勝ち上がってきました。夏のインターハイ県予選決勝と同一カードで、この時は前橋育英が3対1で下しています。

今季の前橋育英は、中盤ではダブルボランチを組む篠崎遥斗選手(3年)と石井陽選手(2年)がボールを奪い、ポストプレーを得意とするフォワード佐藤耕太選手(2年)へつなぎチャンスを作ります。また、両サイドバックが高い位置をとり、サイドからは平林尊琉選手(1年)や山崎勇誠選手(3年)が細かいパスワークで相手ゴールに迫ります。さらに、ゴール前ではキャプテンで昨年度から不動のゴールキーパー、雨野颯真選手(3年)が鉄壁の守備を誇ります。

決勝戦、まず試合を動かしたのは前橋育英でした。前半14分、平林尊琉選手(1年)の絶妙なクロスに、フォワード大岡航未選手(1年)が合わせ先制します。その後は、ボールが落ち着かないまま時間が経過し前半が終了します。

前橋育英は後半から、快速ドリブラー斎藤陽太選手(3年)を投入。すると後半26分、斎藤選手が右サイドを突破し、ペナルティエリア内でPK獲得。自ら決め2対0とします。その後は、ゴールキーパー雨野選手の安定したセービングなどで健大高崎をシャットアウト。3大会連続26回目の全国大会出場を決めました。

例年、新チームになっても経験豊富な選手がそろう前橋育英ですが、今のチームで前回大会の出場経験があるのはキャプテンの雨野颯真選手のみ。2月の新人大会は桐生第一に敗れ準決勝敗退。4月に開幕した高校生年代最高峰のプレミアリーグの初戦でも、去年の王者・川崎フロンターレU-18に0対3で完敗するなど、苦しい時期が続きました。

そんな今季の前橋育英を象徴する言葉は、逆境やピンチを跳ね返す「リバウンドメンタリティ」。選手権群馬大会を控えた9月~10月にかけてプレミアリーグで3連敗を喫した際に、山田耕介監督が選手たちに伝えた言葉です。その言葉通り、選手権群馬大会準決勝・桐生第一戦では、2点を先制されるも逆転勝利し成長を感じさせました。

山田監督は、今年度を「経験値も浅く、苦労ばかりのチームだった」と振り返る一方、試合を重ねるごとに「連携の精度や球際の強さなど、磨けば面白いチームになると感じた」と話します。雨野選手も「去年とは違い、1つの敗戦から多くの反省点を学び吸収していくのが今年の強み」と手応えを感じ、全国大会を迎えます。

その全国大会、前橋育英は2大会連続準々決勝で敗れ、国立のピッチに立つことができませんでした。先輩の涙を見てきた育英イレブンの挑戦が始まります。

初戦は12月29日、立正大淞南(島根)との強豪対決です。

※写真は前橋育英高校の石井陽選手(手前)と先制点を決めた1年生大岡航未選手(奥)

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/群馬テレビ)

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