神社仏閣が立ち並ぶ古都・京都。上京区にある白峯神宮には「蹴鞠(けまり)の神様」が祭られています。ワールドカップ開催時には多くのサポーターが日本代表の必勝祈願に訪れ、修学旅行シーズンには中高生がプレーの上達を願って参拝するなど、サッカーにゆかりのある神社です。
第102回全国高校サッカー選手権大会が12月28日に開幕します。京都代表は3大会ぶり10回目の出場となる京都橘。初戦は31日の2回戦で富山第一と対戦します。
■91回大会全国準優勝の京都橘
京都橘は1902年に「京都女子手芸学校」として創立し、2000年に男女共学となりました。女子バレーボール部や陸上競技部が全国大会常連のほか、吹奏楽部が全日本マーチングコンテストで金賞を受賞したり、太鼓部が日本一に輝いたりしています。
男子サッカー部は2001年創部。初めて全国選手権に出場した87回大会は初戦敗退でしたが、2度目の出場となった91回大会では初勝利から一気に決勝まで上り詰める快進撃を見せました。宮崎代表の鵬翔との決勝戦は2-2の末、PK戦で敗れ準優勝。現J1柏レイソルの仙頭啓矢選手と小屋松知哉選手がともに大会得点王となりました。
今の3年生はその全国準優勝に心を動かされ、入学してきた選手たちです。現主将の西川桂太選手もその一人。「小学生の頃から選手権を見て憧れていた」と京都橘への進学を決めました。
■「人の心を動かすサッカー」で全国の頂点へ
その西川主将率いるチームの目標は「人の心を動かすサッカー」です。「勝つことももちろん大切だが、戦う姿勢や走るところ、当たり前のことを徹底することが一番大切。試合の中身の価値を求めることが勝利につながる」と西川主将は考えます。その言葉通り、京都大会決勝でも諦めず必死に走って戦った結果、逆転勝利を収めました。応援に来た人たちからは「感動した」という声をかけられたそうです。
全国の舞台でもそのプレースタイルは変わらず、「しっかり走って戦う姿勢を観客に見てほしい」と西川主将は意気込みます。91回大会を超える全国優勝へ。「人の心を動かすサッカー」を体現した先に頂点が見えてきます。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/KBS京都)
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