12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。全国屈指の激戦区となっている東京からは早稲田実業と堀越の2校が全国に出場。今回は東京B代表早稲田実業の東京都決勝を振り返ります。
◇ ◇ ◇
8大会ぶりに西が丘会場での実施となった東京都大会決勝。東京Aブロックは前回大会の優勝校で10度目の全国を狙う国学院久我山と初優勝を目指す早稲田実業との対戦となりました。都大会決勝での両校の対戦は12大会ぶり。当時は国学院久我山が延長戦の末に逆転勝利を収めています。
「美しく勝て」をモットーに華麗なパスサッカーが魅力の国学院久我山に対し「愚直に泥臭く」堅守で決勝まで勝ち上がってきた早稲田実業の試合は国学院久我山が攻め、早稲田実業が守る展開が予想されていました。
しかし、ここで就任24年目早稲田実業の森泉監督が仕掛けます。試合開始早々、最初のボールポゼッションで一気に前線へ。エースの背番号9久米遥太選手からの折り返しに背番号6岩間一希選手が思い切りよくミドルシュートを放つとボールは前線につめていた背番号8竹内太志選手の足もとに収まります。
すると右足で冷静にゴール左隅に決め先制。2戦連続となる1年生ストライカーの得点に今大会から「声出し」が解禁となった応援席も応援歌『紺碧の空』を大合唱し沸き立ちました。
一方、リードを奪われた国学院久我山もここから持ち味の攻撃サッカーを展開。幾度となく早稲田実業ゴールに迫りますが、守備の要、背番号3若杉泰希選手を中心にした5バックが体を張ったディフェンスでゴールを許しません。
すると、前半27分。早稲田実業がゴールキックから手数をかけず攻め込むと背番号11スミス聡太郎選手の折り返しに背番号7西山礼央選手が左足で合わせ待望の追加点。キャプテンのゴールでリードを2点に拡げました。
その後も、国学院久我山の猛攻を愚直に泥臭く最後まで粘りの守備を貫いた早稲田実業が創部56年目にして遂に全国選手権出場の切符を手にしました。
無失点での優勝についてDFリーダーの若杉泰希選手は「試合の終盤、キツい時間もあったが応援の声のおかげで最後まで走りきることができた」と感謝を述べると、得点を挙げた主将の西山礼央選手は「全員の気持ちを込めて打ったシュートが決まって本当に良かった。東京都代表として恥じないよう全力でプレーしたい」と全国大会への抱負を話しました。
これまで培ってきた“愚直に泥臭い”プレーで更なる高みを目指します。
早稲田実業は12月28日国立競技場での開幕戦で、こちらも全国大会初出場の広島国際学院と対戦します。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/日本テレビ)
シェアする