12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。富山県代表の富山第一高校は12月31日に行われる2回戦で京都府代表の京都橘高校と対戦します。富山第一が9連覇を果たした、11月11日の富山県大会決勝を振り返ります。
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冬の雨が降る中で行われた富山県大会決勝は9大会連続34回目の出場をめざす富山第一と62大会ぶり3回目の出場を狙う富山北部が対戦しました。
3試合22得点無失点と圧倒的な強さで勝ち上がってきた絶対王者・富山第一に対して、富山北部は準々決勝、準決勝といずれも1点差の接戦を制するなど、快進撃を見せ決勝の舞台に勝ち進んできました。
試合序盤から主導権を握ったのは富山第一。両ワイドの5.大居優汰選手(3年)、2.小西双豪選手(3年)が積極的に前線に顔を出し、得意のサイド攻撃からチャンスを作ります。さらに9.加藤隼也選手(3年)のロングスローを起点に相手ゴールを脅かします。しかし富山北部もGK1.町田陽映選手(3年)を中心に我慢強く守り、ゴールを割らせません。
それでも試合が動いたのは、前半21分。コーナーキックのこぼれ球にキャプテンの6.多賀滉人選手(3年)が素早く反応し、富山第一が得意のセットプレーから貴重な先制点を挙げます。
その直後にも再びコーナーキックを得ると、10.稲垣禅太郎選手(3年)のピンポイントクロスに11.川原瑠偉選手(3年)が頭で合わせて追加点。富山第一が立て続けに得点し、試合を優位に進めます。
ビハインドを負った富山北部もエースの10.松村幸紀選手(3年)や11.笠原光晟選手(3年)を中心にカウンターからチャンスを作り、ゴールに迫ります。しかし夏の県高校総体に続き、ここまで大会無失点の富山第一のDF陣は最後まで集中を保ち、堅守を築きます。
試合巧者の富山第一は後半に入ると積極的に交代カードを切り、最後まで隙を与えません。試合終了間際には5.大居選手がミドルシュートで決定的な3点目を決め、試合終了。3対0で勝利した富山第一が9連覇を達成し、34回目の全国選手権出場を決めました。
10大会前の全国制覇に憧れて、紫のユニフォームに袖を通した選手たち。しかし過去2大会はいずれも初戦敗退と、今の3年生は全国選手権での勝利を知りません。
加納靖典監督は「目標は日本一ですが、まだ我々にはそんな力はありません。ここからもう一度競争をして、逞しくなって日本一を目指したい」と全国の舞台へ決意を新たにしました。109人の部員を率いるキャプテンの6.多賀選手は「全国選手権で勝つために富山第一に入学した。強い富一の姿をもう一度全国に証明したい」と2度目の日本一へ力強く意気込みました。
※写真は先制ゴールを決めた富山第一のキャプテン・多賀滉人選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/北日本放送)
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