102回目の開催となる全国高校サッカー選手権大会。57チームが出場した鹿児島県大会を勝ち抜き、全国への切符を掴んだのは、神村学園でした。年々、レベルが高まっている鹿児島県大会決勝を振り返ります。
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前回大会では県大会史上初の6連覇を果たし、全国ベスト4まで勝ち上がった神村学園。対するは、7大会ぶりの王座奪還を狙う鹿児島城西。この両校が決勝で戦うのは2年ぶり12回目となりました。
見る人を魅了する攻撃的なサッカーを展開する神村学園。キャプテンでベガルタ仙台内定のストライカー、西丸道人選手。ベルギー・ヘンク内定の左サイドバック、吉永夢希選手。17歳以下アジアカップMVPで得点王の名和田我空選手など、タレント揃いのチームです。
一方、その神村学園を新人戦の県大会、九州大会で2度破り、神村学園の1強時代に待ったをかけたのが鹿児島城西です。全員が手を繋いだような堅い守備で、新人戦九州大会では無失点優勝。九州の強豪が参加するプリンスリーグ九州で得点王に輝いた、藤枝MYFC内定の芹生海翔選手を中心に、縦に速いサッカーでゴールに迫ります。
神村学園は高校年代最高峰のプレミアリーグWESTに初参戦で残留。鹿児島城西はそのプレミアリーグへの昇格が決定。全国屈指の強豪同士が鹿児島代表の1枠を争い戦いました。
試合が動いたのは後半5分、神村学園は名和田選手のクロスから、新垣陽盛選手がヘディングシュート。キーパーが一度は防いだものの、こぼれ球をキャプテン西丸選手が押し込み、均衡を破ります。
鹿児島城西も芹生選手が高い位置でボールを奪い、自らシュートを放ちますが、枠の外。後半31分にはケガで長い間、プレーできなかったキャプテンの福岡想太朗選手を前線に投入し、状況を打開しようと試みますが、1点が遠く、36分には退場者が出てしまう事態に。
それでも必死にゴールを攻め続けた鹿児島城西でしたが、それを上回る試合巧者ぶりを見せた神村学園。1対0で勝利を収め、鹿児島県大会史上初の7連覇を果たしました。7年連続11回目の選手権出場です。
西丸道人主将は「粘り強く戦うことができて勝ててよかった。去年越えられなかった壁があるので自分自身としてもチームとしてもその壁を越えられるように全国でも神村らしく暴れていきたい」と前回大会の全国ベスト4を越えることを誓いました。
全国屈指のタレント軍団がどんな戦いを見せてくれるのか。神村学園の初戦は松本国際と12月31日に行われます。
※写真は神村学園キャプテン・西丸道人選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/鹿児島読売テレビ)
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