日本最大の湖・琵琶湖を有する滋賀県。その東部に位置する彦根市は、江戸時代に国宝・彦根城が建てられてから現在に至るまで、城下町としての文化的風情を色濃くとどめながら発展してきました。
12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。滋賀県代表はそんな彦根市にある近江高校です。全国の初戦は12月31日の2回戦で、神奈川県代表の日大藤沢と対戦します。
■歴史あふれる街・彦根に誕生した新進気鋭の強豪校
今から85年前、1938年に創立した近江高校。文化部は吹奏楽部を中心に人気が高く、運動部も県内有数の強豪として知られています。特に注目度の高いのは野球部で、2001年に夏の甲子園で準優勝。2022年には山田陽翔投手(現・埼玉西武ライオンズ)を擁して春のセンバツ準優勝も成し遂げています。
その中で、サッカー部は2016年に学校の強化クラブに指定されました。近年の活躍は目覚ましく、インターハイは3回、選手権大会も今回を含め3回の出場を誇ります。
■「翔んで選手権 ~琵琶湖よりチーム力をこめて~」
サッカー部のスローガンは「Be Pirates!(海賊になれ!)」です。仲間の絆が深く、どんな相手にも勇敢に、目標に向かって夢中になれるチームでありたいという思いが込められています。
今年の近江高校はハードワークと多彩な攻撃スタイルで、新人戦、インターハイ予選、選手権予選と滋賀の3冠を達成。プリンスリーグ関西1部では強豪相手に勝ち星を積み上げ、滋賀県勢として初めてとなるプレミアリーグプレーオフに進出し、決勝までコマを進めました。
「チーム力にこだわってきた」と金山耀太キャプテンが話す通り、Jリーグ内定選手や世代別代表の選手はいないものの、泥臭く、献身的にプレーできる選手が揃っています。集大成となる選手権大会の舞台で目指すのはベスト4です。
11月に公開された映画「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」でも注目された通り、琵琶湖へ流れ込む川は100本以上あれど、海に向かって流れ出る自然川は瀬田川の1本しかありません。近江高校のサッカー部も滋賀県内45チームの激戦を制し、選手権大会に翔び出す1校の座をつかみ取りました。
いよいよチームの集大成。真冬の大海原で、彦根の海賊軍団が暴れまわります!
※写真はプレミアリーグプレーオフ進出を決めた試合後の近江高校サッカー部
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/びわ湖放送)
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