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2023

12/23

【高校サッカー】連覇か初優勝か!?激戦の奈良を制した奈良育英が3連覇達成!

第102回全国高校サッカー選手権。今年のテーマである「ともに全力で」この言葉通り、選手たちは夢の全国出場を目指し仲間たちと全力でピッチを駆け抜けました。

奈良県からは大会3連覇を果たした奈良育英が全国への切符を掴みとりました。奈良育英は1回戦、12月29日に埼玉代表の昌平高等学校と対戦します。今回は11月12日に行われた地区大会決勝を振り返ります。

◇ ◇ ◇

今年も激戦となった奈良大会。前回大会準優勝の山辺が初戦敗退、今年のインターハイ予選で準優勝の五條も準々決勝で敗退と、力のあるチームが次々と姿を消す中、前回王者の奈良育英も初戦に苦しみました。後半中盤まで2点を追いかける展開でしたが、ビハインドの状況でも選手たちは終始冷静でした。

大会2連覇、インターハイ予選優勝など近年数々のタイトルを獲得してきた実力を発揮し、試合終了間際に逆転。その後も、県の強豪を相手に接戦を制してきました。対する初の決勝に勝ち上がってきた生駒は準決勝までに25得点と大量得点。接戦で勝ち上がってきた奈良育英と勢いに乗る生駒。対照的に決勝へと駒を進めてきた両校の決勝戦になりました。

■「歴史をつくる」生駒

初優勝を目指す生駒高校は就任7年目、Jリーグでも活躍した古田監督が指揮をとります。昨年インターハイに初出場し、近年力をつけてきた高校です。しかし、選手権での最高成績はベスト4でした。今年は3年生がピッチに2人、キャプテンは怪我で準決勝まで試合に出場できておらず、チームメイトは「全国に連れて行きたい仲間がいる。最強の敵に勝ってみんなで全国の舞台に立ちたい」と強い想いを持って挑む決勝でした。

■「歴史をつなぐ」奈良育英

奈良育英高校を率いるのは就任3年目、奈良育英高校サッカー部OBでもある梶村卓監督です。奈良育英は全国大会に15回出場、第73回大会ではベスト4を記録し、サッカー元日本代表の楢崎正剛氏を輩出したサッカーの名門です。昨年は大会2連覇を果たし、今年はインターハイにも出場と常勝軍団復活を結果で示してきました。

3連覇か、初優勝か。立ち上がりから奈良育英はワントップの藤岡仙太郎選手(3年生)を起点に速いパス回しを展開。両サイドからの攻撃で生駒のゴール前に押し込み主導権を握ります。

生駒が反撃できない時間が続く中、前半13分。奈良育英はスローインから素早いパス回しを展開。生駒のディフェンス対応が遅れ、右サイドから有友瑠選手(2年生)がペナルティエリアの外から鮮やかなシュートを放ち先制します。

その後も奈良育英は生駒ゴールに何度も迫りますが、生駒のGK石丸裕基選手(2年生)がファインセーブで追加点を許しません。するとこのプレーから流れが生駒に傾きます。前半終了間際の39分。ショートパスを繋ぎ、奈良育英ディフェンスの裏に抜け出した渡邉耕太郎選手(2年生)がゴール左端に流し込み同点とします。

続く後半、奈良育英はワントップだった藤岡選手をアンカーに下げ、攻撃のキーマン・高身長の井登奏汰選手(3年生)を投入します。共に得点できず1-1のまま迎えた後半アディショナルタイム。カウンターから一気に駆け上がった生駒がゴールに迫りシュート。決まれば優勝が近づいた一本を奈良育英のDF植村翔輝選手(2年生)が身体を張って守り、勝ち越しを許しませんでした。その後も一進一退の攻防が続き1-1のまま延長戦に突入します。

すると、延長前半4分でした。奈良育英がコーナーキックを獲得。キッカーはチームのエースの磯貝新之助選手(3年生)。磯貝からのボールに頭ひとつ抜け出した井登選手がヘディングシュートで今大会初ゴールを決め、奈良育英が勝ち越します。

再び追いかける立場となった生駒は、怪我で離脱していたキャプテンの西村俊哉選手(3年生)がついにピッチへ。チームの士気も上がります。しかし、最後までゴールを目指し戦い抜いた生駒でしたが、試合はそのまま2-1で終了。

100分に及んだ激戦を制した奈良育英が大会3連覇を達成。3年連続16回目の全国への切符を手にしました。

試合後、奈良育英・梶村卓監督は「今年は、初戦から全て1点差。無失点で勝って内容でも結果でも圧倒しなければならない立場ですが、それが出来なかったのはこれまでやってきたことがまだ出せてない結果だと思います。」と試合を振り返りました。

奥村央樹主将(3年生)は「3連覇を達成できたことは正直嬉しく思います。全国では2年連続2回戦の壁に阻まれているので、悔しさが残る全国の舞台で全員攻撃・全員守備で勝ちに行きたいと思います。」と喜びと抱負を語りました。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/奈良テレビ)

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