自転車で海を渡る「しまなみ海道」やB級グルメ「焼豚玉子飯」が有名で、全国から観光客が集まる海の町・今治市。FC今治の本拠地としても注目を集め、サッカーの街としても盛り上がっています。
そんな今治から、12月28日に開幕する第102回全国高校サッカー選手権大会愛媛県代表として、2大会ぶり3回目の全国大会に挑む今治東中等教育学校。全国大会初戦は12月29日東京都A代表・堀越高校と対戦します。
■高校年代男子の半分がサッカー部!?モテる今治東イレブン
98回大会で初の全国出場を決めると、100回・102回大会と直近5回中3回全国出場を果たす、実力急上昇中の今治東。近年の活躍が注目を集め、公立高校ながら県内各地、県外からも「今治東でサッカーがしたい」と選手が集まります。
その結果、全校生徒(高校年代男子)の半分がサッカー部という状態に。そのレベルアップの立役者が谷謙吾監督。公立3校を全国大会に導いた指導力で今治東でも「今治東スタイル」を確立してきました。
「組織的な堅い守備」「質の高いセットプレー」「スピード感あふれるサイド攻撃」がサッカー少年たちの憧れの存在になっています。
全国常連校となったサッカー部の活躍は、校内の女子たちにも影響しています。「サッカー部というだけで格がワンランク上がる」と語る女子生徒や、自作の応援うちわを携えて県大会の決勝に駆けつけるファンも多数。憧れや好意を寄せるサポーターの存在で、応援スタンドは季節外れの桜色に染まります。
■ともに全力で ピッチ外で輝く“分析班”
今治東の強力なセットプレー、組織的な守備を支えている影の立役者が“分析班”。試合前のミーティングでは分析班が中心となって指示、アドバイスをしています。
6人の分析班をまとめるリーダーは須田大揮さん(3年)。「準決勝で相手がやってきたトリックプレーは分析していて、対策や練習をしていたので完璧に対応できた。自分たちのセットプレーで県大会は点がたくさん取れた」と自分たちの活躍を評価しています。
選手からの信頼も厚く、「同じ年齢だし、質問もしやすい。選手権でセットプレーが決まったのは分析班のおかげ。これまでセットプレーが武器という認識がなかった」と語るのはキャプテンの三好康介選手。
県決勝で得点を決めた樋口智大選手は「分析班のおかげで勝ったのもある。空中戦が得意な相手選手を教えてもらい、マークがつかないようブロックしてもらっていた。自分の得点だけど、分析班の影響が大きい」と選手からの評価はバツグン。
谷監督も「めちゃくちゃ助かっています。県大会のミーティングはほぼお願いした。的を射ていて非常にわかりやすい」と太鼓判を押すほど。将来は指導者になりたいとC級ライセンスの取得を目指す、分析班リーダーの須田さん。
「分析したことを相手がやってきた、相手の弱点をつけたときは達成感がある。最高の形でチームをサポートして全国を戦っていきたい」とコーチとしての楽しさを見出しています。ともに全力で。ピッチの外でも準備は万全です。
■県勢31大会ぶりのベスト8へ…起こせ!しまなみの桜旋風!!
桜色に染まるスタンドに、情報でサポートする分析班。“ともに全力で”挑む仲間に支えられピッチを舞う桜色の戦士たち。県決勝で得点した越智彪乃介選手は「分析班はこの選手権で一番役に立っている。チームがひとつになるには不可欠。セットプレーで得点して勢いづけていきたい」と分析班と協力して得点すると意気込みを語ります。
98回大会で初出場、初勝利を記録した今治東。愛媛県勢としては31大会ぶりとなるベスト8を目指します。
※写真は“ともに全力で”ピッチ外で輝く今治東の分析班
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/南海放送)
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