2023年、私たちへ多くの感動を与えてくれたWBC日本代表やラグビーW杯日本代表がキャンプを行い、世界へ羽ばたくスタートを切った地・宮崎県。野球やラグビーだけでなく、もちろんサッカーのキャンプもJリーグクラブを中心に盛んに行われており、1月のキャンプインを前に県民のサッカー熱も高まってきています。
12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。宮崎県代表は、2大会連続で日章学園。全国大会の初戦は、12月29日の1回戦、初出場の愛知県代表・名古屋と対戦します。
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◆多彩な学科と多数の強豪部活動を持つ日章学園
特別進学科・普通科からヘアーデザイン科・パティシエ科まで、多彩な10の学科と、サッカー部以外にもゴルフ部やボクシング部など全国レベルの部活動が多数ある日章学園。様々な夢を持った生徒が日々学んでいる中高一貫校です。
県内外から日本一の夢を持って入部した134人の部員を誇るサッカー部は、2年連続17回目となる選手権全国大会の舞台に立ちます。県大会は、3試合で14得点2失点と、強いフィジカルを生かした得点力が光りました。
◆注目はU-17W杯日本代表の高岡伶颯選手
日章学園の注目選手は、何といっても11月にインドネシアで行われたU-17ワールドカップ日本代表の2年生高岡伶颯選手。
圧倒的なスピードと高い得点能力で、ワールドカップでは1次リーグ3試合連続ゴール、4得点と日本のベスト16進出に大きく貢献。世界に衝撃を与えました。日本代表は、アジアカップ2023に続いての選出で、国際大会を2度経験したストライカーは、「代表で得たことはすべてチームに還元する。それでチームが強くなることが、自分が代表に選ばれた意味。」と話します。
選手権県大会では、決勝戦2年連続ハットトリックという驚異の記録を打ち立て、チームの2連覇に貢献しました。「全国大会では、県大会以上に爆発して、チームを日本一に導きたい。」と意気込んでいます。
◆夏の悔しさを冬に晴らす
県内最多17回目の選手権全国大会出場となる日章学園ですが、今年度の高校総体では県大会決勝で宮崎日大に敗れ、IH連続出場も6回でストップ。県高校総体での敗戦は2015年以来となり、「夏の悔しさを何としてでも選手権にぶつける」と選手たちは口々に話します。夏休みには長期県外遠征を行うなど、厳しい鍛錬を乗り越えてきました。
◆日本一への熱量
就任4年目の原啓太監督が練習や試合中によく口にする言葉があります。それが「熱量を上げろ」です。「勝ちたい気持ちを表に出してプレーすれば、プレーの強度も上がり、苦しい場面でも戦える。」と原監督は選手たちに伝え続け、部員134人が日本一へ向け強い熱量を持ち、トレーニングを積み重ねてきました。
中でも、主将の藤本晃士選手は、3年間で2度の右ひざの大けがに見舞われながらも必死のリハビリなどで復活した強い熱量の持ち主。「自分たちがピッチで熱量を前面に出して、ベンチやスタンドの仲間を熱くさせて共に戦い、日本一を目指す。」と意気込んでいます。
夏の悔しさ、そしてどこよりもこだわってきた強い熱量で、宮崎の"赤き血のイレブン"が、まずは過去最高成績の8強超え、そして悲願の日本一へ向けて躍動します。
(取材・文 高校サッカー選手権民放 43 社/MRT宮崎放送)
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