12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権。群雄割拠の静岡県大会。サッカー王国静岡の頂点に立つべく、静岡学園高校が底力を見せた決勝を振り返ります。
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今年、プロ内定選手3人を擁す静岡学園高校。高卒プロ輩出は5年連続となります。その静岡学園と決勝で対戦したのは、3年連続で決勝に勝ち上がってきた伝統校・藤枝東。決勝でこの両者が対戦するのは8回目で県内最多のカード。まさに、王国静岡にふさわしい強豪同士の一戦となりました。
観客の想像を超える発想力とテクニックが武器の静岡学園。J2徳島ヴォルティス内定の背番号10高田優選手に、守護神でキャプテンの中村圭佑選手はJ2東京ヴェルディに内定。そして、今大会は怪我のため出場は叶いませんでしたが、神田奏真選手はJ1川崎フロンターレ内定と今年の静岡学園高校もタレントがそろいました。
しかし、その神田選手をはじめ各ポジションの核となる選手がケガで戦線離脱。川口修監督は「仕上がりは50%」と語り苦しい県予選となりました。
それでも高田優選手が攻撃でリズムを作り、守護神・中村圭佑選手を中心に固い守備を構築。準々決勝、準決勝ともに1点差。苦しい戦いを競り勝ってきました。
テクニックとパスサッカー。両者の良さが全面に出た決勝戦は、前半15分。高い位置でボールを奪い3年生の宮嵜隆之介選手からパスを受けた、3年生の庄大空(はるく)選手がひとり交して、ゴール正面からミドルを突き刺し先制します。
しかし、前半29分。自陣深い所でボールを奪った藤枝東は鋭いカウンターを発動。最後は189cmの長身ストライカー3年生の植野悠斗選手のヘディングで同点に追いつかれます。
ハーフタイム。「良くないね」と川口監督は声を漏らしました。しかし、静岡学園は後半に底力を見せます。後半26分。先制点の庄大空選手のパスを、今度は宮嵜隆之介選手が受け、ペナルティエリア内で相手の逆を取り冷静に右足で流し込み勝ち越し。
庄選手と宮嵜選手は、部員231人と大所帯の静岡学園で最後に競争に勝ち、大会前にBチームから昇格。燃えるものを胸に秘め、決勝でヒーローになりました。
主力不在の中、静岡学園は高い競争力が生んだ底力で2大会ぶり14回目の全国選手権出場をつかみました。
主将としてチームをまとめ上げた中村圭佑選手は「日本一が自分たちの目標。静岡代表としての誇りを持ち、静学スタイルを全国で表現したい」と語りました。
率いる川口修監督は「日本一は一戦必勝で、毎回出る課題を改善した先にあるもの。よりレベルアップして他の高校との違いを見せたい」と話します。
決して守りに入らず、攻撃で圧倒する全国屈指のテクニック軍団。4大会前の98回大会は半世紀以上不変の静学スタイルを貫き、優勝旗を静岡に持ち帰りました。
「再び日本一へ」。
12月29日、明徳義塾との初戦。その一歩が始まります。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/静岡第一テレビ)
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