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2023

12/23

【高校サッカー】前評判も試合もひっくり返す高知・明徳義塾の「チャレンジャー精神」

第102回全国高校サッカー選手権高知大会。夏のインターハイ8強の第1シード・高知高校を準々決勝でPK戦の末破った明徳義塾が3大会ぶり9回目の全国の切符を掴みました。今回は高知県代表・明徳義塾の高知県大会決勝を振り返ります。

◇ ◇ ◇

ここ10年で高知県大会4度優勝の明徳義塾。94回大会では全国大会ベスト8入りを果たすなど、高知の高校サッカーにおいての「名門校」。しかし、今大会は「ノーシード」から勝ち上がってきました。一方、創部3年目の高知国際は新人戦3位・県総体で準優勝と着実に力をつけ、今大会初の決勝進出。そんな両チームが公式戦で相対するのは3度目。いずれも高知国際が零封で勝利しています。そして、明徳義塾の主将でエースストライカーの吉田凱(かい)選手が今大会7ゴールに対して、高知国際のエースストライカー・9番の林錬太郎選手が6ゴールと両エースの得点王争いも注目となりました。

1点を争うロースコアの展開が予想された決勝戦でしたが、序盤からゲームが動きました。前半7分、決勝戦でボランチに入った北村優太(うた)選手がふわりと浮かせたパスを縦に送り、ペナルティーエリア内で西岡航汰選手がパスで繋ぐと、最後は林錬太郎選手が右足で決めて高知国際が先制!さらに、前半13分。林選手が決勝戦2ゴール目を決めて、明徳義塾を突き放します。そして、林選手がこの時点で得点ランキングでトップに立ちました。

しかし、どこよりも強い「チャレンジャー精神」で今大会勝ち上がってきた明徳義塾は慌てていませんでした。堅い守りからのロングボールと素早いカウンターとで落ち着いて、立て直すと、チャンスが訪れました。前半20分、PKを獲得。主将の吉田選手が落ち着いて決め、1点差に迫りました。この時点で、吉田選手と高知国際の林選手が8ゴールで並びました。

「ともに全力で」戦う両チーム。後半に入り、再び明徳義塾がPKで同点に追いつくと、2本のコーナーキックから2点を奪って逆転し勝利。3大会ぶり9回目の選手権全国大会へ進出しました。

2年前の高知県大会決勝。先輩たちが逆転負けで夢舞台を逃した姿をベンチやスタンドから見ていたのが今の3年生。「先輩たちの悔しさや想いも背負っています」と3年生15人は口を揃えて話していました。そして、「最後の冬に、部員49人の心が一つになった結果」と喜んでいました。

両チームのエースが「得点王」となって幕を閉じた高知県大会。仲間やライバル、家族の想いをピッチ上でともに全力でぶつけ合った80分でした。夢破れた23チームの想いを背負って、明徳義塾が12月29日の1回戦で優勝候補・静岡学園と戦います。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/高知放送)

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