102回目の開催となる全国高校サッカー選手権大会。36チームが参加した大分県からは宇佐市の私立柳ヶ浦高校が全国大会へ進出しました。柳ヶ浦高校の大分県大会決勝を振り返ります。
【画像】全国高校サッカー選手権大会で柳ヶ浦が戦うDゾーンの組み合わせ
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柳ヶ浦対大分という4年前と同じ顔合わせとなった大分県大会の決勝。4年前は後半終了まで両者スコアレスで、その後の延長戦で4点が動き柳ヶ浦は大分高校に4-0で敗れました。
当時柳ヶ浦を率いていたのが就任初年度だった有門寿監督。「采配の甘さなど指導者としての経験のなさを痛感した」と有門監督は4年前を振り返ります。
そして迎えた102回大会の決勝戦。押し込まれても前線やサイドへのロングボールで一気にチャンスを手繰り寄せる「縦に速いサッカー」が持ち味の柳ヶ浦。試合開始早々から相手ゴール前にロングボールを入れていき主導権をつかみにかかります。しかし県内屈指のテクニック集団・大分高校も持ち前の技術の高さで相手にペースを譲りません。
点が動いたのは前半17分でした。左サイドでボールを受けた7番・池田琉生選手(3年生・県大会4ゴール)の針の穴を通すようなピンポイントクロスに、ファーサイドで11番・曽根虎大郎選手(3年生・県大会準決勝まで3ゴール)が頭で合わせ先制に成功します。
これで柳ヶ浦が流れをつかんだかに見えましたが、その5分後でした。今度は大分の11番・吉賀駿斗選手(3年生・県大会3ゴール)のプレスで相手ゴール前でボールを奪うと、すぐさまゴール前にフリーで待っていた14番・重田啓佑選手(3年生)に送り、重田選手が確実に決め同点に。
勝敗を分けたのは後半9分の柳ヶ浦の右のコーナーキックからでした。左利きの7番・池田選手のキックをファーサイドで頭で折り返します。空中戦になったところ10番・キャプテンの橋本琉唯選手(3年生・県大会準決勝で2ゴール)がヘディング。このボールを大分のゴールキーパー松木明翔選手(3年生)が弾いたところに詰めていた柳ヶ浦5番・外園優心選手(2年生・身長180㎝)が押し込んで追加点を奪いました。
その後、大分は得意のパスサッカーを展開し何度も柳ヶ浦ゴールを脅かしますがあと1点が遠く、そのまま試合終了。102回大会の決勝戦は2-1で柳ヶ浦が勝利し、18年ぶり2度目の全国切符をつかみ取りました。
試合終了直後、柳ヶ浦の有門監督の目には光るものが…。「試合に出ている選手全員が最後の最後まで戦ってくれた。試合に出られていない選手や、保護者、OB全員に感謝したい」と声を詰まらせました。
縦に速いサッカーにさらに磨きをかけ、12月29日に岐阜県の帝京大学可児高校との初戦を迎えます。
※写真は決勝ゴールを決めた5番・外園優心選手と抱き合うキャプテンの橋本琉唯選手
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ大分)
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