鳥取県西部にある米子市。鳥取県の中では鳥取市に次いで2番目に人口が多い約15万人。江戸時代初期から商業都市として発展したまちです。国立公園大山を仰ぎ、日本海に寄り添うすぐれたロケーション。山陰屈指の皆生温泉が湧き、四季を通じてスポーツやレジャーに華やぐ観光リゾートでもあります。
その米子市にある米子北は、12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会に鳥取県代表として出場。全国の初戦は、12月29日の1回戦、山形明正と対戦します。
◆兄弟で日の丸を背負う“佐野兄弟”を輩出
多くのプロサッカー選手を輩出する米子北高校。元日本代表で鹿島アントラーズに所属する昌子源選手や来シーズンから北海道コンサドーレ札幌への加入が内定している福岡大学4年の岡田大和選手などがいますが、2019年卒業の佐野海舟選手、2022年卒業の佐野航大選手の"佐野兄弟"はともに日本代表に選出されています。鹿島アントラーズ所属の兄・海舟選手は11月に行われた2026 FIFAワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー戦でA代表デビュー、オランダ1部リーグ・NECナイメヘン所属の弟・航大選手はU-20日本代表としてFIFA U-20ワールドカップに出場しました。
米子北の中村真吾監督は「身近なところに日本代表選手がいることで、今在籍する選手も夢を持つようになった。簡単に諦めるのではなく、大きな目標を持つようになった」と話します。
◆「選手権県大会14連覇!鳥取の絶対王者」米子北
米子北のサッカースタイルは伝統の“堅守速攻”。中村監督が提唱した4原則「アプローチ」「球際」「攻守の切り替え」「運動量」を合言葉に、相手のボールホルダーに猛烈なプレスをかけ、ボールを奪って数秒で相手ゴールに迫ります。守備は少ない人数で守り、攻撃に人数をかけて厚みを持った速攻を仕掛けます。
選手権の県大会は14連覇中。今大会も、試合ごとに大幅に選手を入れ替えながらも4試合で50得点3失点と圧倒的な強さを見せつけました。
5シーズンぶりに復帰した高校年代最高峰のプレミアリーグでは、Jリーグのユースチームや高体連の強豪校にも勝利するなど健闘し、12チーム中7位で残留。
「チーム一丸となり、一戦一戦粘り強く戦って優勝したい」とする全国大会。夏のインターハイでは、去年はベスト4、一昨年は準優勝と結果を残していますが、冬の選手権のチーム最高成績はベスト8。もう「冬は勝てない」とは言わせない。今年の米子北に注目です。
※写真は鳥取県大会の決勝で先制ゴールを決めた仲田堅信選手
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/日本海テレビ)
シェアする