102回目の開催となる全国高校サッカー選手権大会。171校が加盟する兵庫県からは、神戸弘陵学園が全国大会へ進出しました。今回は、兵庫県代表、神戸弘陵学園の兵庫県大会を振り返ります。
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連覇を達成した98回、99回大会以来、3年ぶりの優勝を目指す神戸弘陵学園。相対するは、88回大会以来、14年ぶりの優勝を狙う神戸科学技術。ともに、前回、決勝に進んだ際には、栄冠を手にしている両チーム。決勝では初対戦となりました。
「どこからでも点が取れる」攻撃力が売りの神戸弘陵学園。裏への抜けだしが得意な馬場悠平選手や、サイドでの独特なドルブルが魅力な北藤朔選手、アイデアのあるプレーが武器の佐波昂大選手など、個々の能力が非常に高い選手が今年は揃いました。
一方、運動量、ハードワークが魅力で、今大会、「決勝戦まで無失点」の神戸科学技術。CBでキャプテンの河邉天真選手を中心に、粘り強いディフェンスで勝ち上がってきました。
神戸弘陵学園の攻撃力が勝るのか、神戸科学技術の守備力が勝るのか。決勝戦は、前半3分、いきなり試合が動きます。神戸弘陵がCKのチャンスを獲得。ショートコーナーのリターンを後ろに下げ、2年生の阪上聖恩選手が上げたゴール前のクロスに対し、3年生のCB柴尾美那選手がヘディングで合わせ先制ゴール。
さらに、後半16分には3年生の佐波昂大選手が、後半19分には同じく3年生の馬場悠平選手のシュートがゴールネットを揺らし、3対0とリードを広げます。
神戸科学技術も粘りを見せ、後半33分に3年生の桑原輝選手のシュートで1点を返しましたが、及ばず。神戸弘陵学園が3対1で神戸科学技術を下し、3大会ぶり12度目の選手権全国大会進出を決めました。
今年の神戸弘陵学園は、県大会の新人戦、優勝。夏の総体も見事に頂点に輝き、総体では、今の3年生にとって初めての全国大会出場を果たしました。
しかし、全国大会、初戦の相手は青森県の強豪校、青森山田高校。高校サッカートップレベルのチームと対戦し、球際の強さや、一つ一つのプレーの質、精度の高さに圧倒され、結果は1対3で敗戦。それ以来、チームの意識は格段に上がり、「もう一度、全国で青森山田を倒すために、夏以降、一つ一つの練習などに対して意識を高く持って取り組んできました」と3年生のキャプテン岡未來選手は話します。
新人戦、総体、選手権優勝と、神戸弘陵学園史上初の県内3冠も達成し、勢いに乗る選手たち。総体に続いて、選手権の全国大会への切符も手にし、この冬、全国の強豪校を相手に、どんなサッカーを見せてくれるのか。神戸弘陵学園の初戦は、宮城県代表、仙台育英学園と12月29日に行われます。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/サンテレビ)
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