【サバイバル・ウェディング】波瑠の進化する“愛されコーデ”のコツをスタイリストが解説!
日本テレビ系で放送中のドラマ【サバイバル・ウェディング】の最終回が、いよいよ今週土曜9月22日よる10時に放送。恋愛模様の展開と合わせて変化してきた、さやか(波瑠)のファッションは今作の楽しみの一つ。
担当スタイリストの三好マリコさんに、コーディネートのポイントを、今作での段階ごとに語っていただきました。さやかが徐々に“愛され”要素を学んで結婚に向けて成長していくというストーリーですが、実は「riz」編集部に入った当初のファッションや、デート以外のオフィスでの普段着にもこだわりがあったよう。“愛され服”とともに、これらのコーディネートについてもお話いただいています。
■さやかのコーディネートのテーマは?
■「riz」編集部に入ったばかりの“変身前”
■愛されファッションを学び始める“変身期”
■ファッションのコツをつかんだ“女子力UP期”
■ドラマを観ている方へのメッセージ
三好さん:
先入観を持たないために原作はあえて読まず、台本に目を通した直感的な印象と、番組スタッフから伝えられた方向性とでイメージしていきました。
さやかは、人気ファッション誌で婚活コラムを担当することになり、カリスマ編集長にアドバイスを受けながらだんだんあか抜けていく…という設定。
ただ、全くファッションに興味のない子が人に言われて急にがらっと変わるという形にするのは、何だか不自然かな?と。どんな人でも、それなりに自分の個性をもって服を選んでいると思うんです。自分のこだわりを持っていた子が、男性好みにファッションを変えていくとどうなるかーーそんな形の方がリアルで、共感していただけるのでは?と考えました。
そういったリアリティを意識しながら、番組の最初と最後でさやかがどれだけ変わるか?本当に“愛され女子”へと成長できるのか?という振り幅も楽しんでいただけるように、コーディネートを展開していきました。
<編集部に入った当初>
(Tシャツの上にミリタリーシャツを重ね着し、ロング丈の柄スカートを合わせたコーデ)
三好さん:
さやかは、もともと男性向け週刊誌でB級グルメ企画を担当していたという設定なので、男性ウケは気にしないけど自分流な「古着」ファッションからスタートしました。そこに少しずつトレンドや愛され要素をミックスしていき、洗練されていくような方向性にしています。実は女性ファンの方からはこの古着スタイルの方が好きという反応も多かったですよ。
<肌見せほぼゼロ!な重ね着スタイル>
(オーバーサイズのチェックシャツ×Tシャツ、長めのプリーツスカート×ジーンズを合わせたスタイル。ボディラインと肌見せはほぼ無し。)
<ジャージとワンピの組み合わせ>
三好さん:
トレンドアイテムのジャージも、流行りのスポーティー風に着こなすのではなく、ワンピースにジャージを羽織ってさやか流のテイストに着ているのがポイント。流行や人目は意識せず、好きなものを自分のスタイルで身に着ける、というのがこの頃の彼女らしさです。
また、この当時のファッションはスカートの下にパンツを履いたり、首回りや足首を隠して肌の露出を少なめにして、この後変身していくにつれて“肌見せ”テクを取り入れていくという見せ方をしました。
<編集長がコーディネート&編集部員がメイクアップ!>
三好さん:
第3話でさやかは、宇佐美編集長(伊勢谷友介)のチョイスで“愛され服”を買いに行くのですが、実際に着てみるとなると勇気がなく躊躇ってしまいます。“愛され服”というのも一括りにはできなくて、男性と女性でもその目線は違うと思うんです。
そこでパーティーに行くドレスは、“同性からも好かれる愛され服”を意識しました。このドレスは、背中が開いていますが決してセクシーになり過ぎず、さやかの雰囲気に似合うイメージ。デザインはオーダーメイドで作ってもらいました。
波瑠さんの体型も考慮して、スレンダーな体型な型でも女性らしく見えるようなAラインで、抵抗なく着られるように丈は膝下に。代わりに、裾にラメをあしらうことで足に目線がいくようにする工夫を施しました。袖は片側だけ二の腕を露出。アシンメトリーにすることで、全体のシルエットにメリハリとお洒落さをプラスしました。
<変身中のさやかを表現した合コン服>
三好さん:
第4話の合コンコーディネートも、編集長から“愛され服”の選び方を学んださやかが、実は自分の好みも含めた上で、自分でチョイスしたという設定です。
ふわっとした揺れる素材と花柄で愛され要素を取り入れつつ、肌の露出はまだ勇気がないな、とか、パステルカラーよりは落ち着いたイエローの方が着やすいかなとか、あくまで“変身中のさやかが選ぶだろうな”という点を意識してリアリティを出しました。
<オフィスファッションも変化>
三好さん:
“愛され服”を着るだけではなく、普段着でも、今までの自分のスタイルに少しずつ変化をプラスしていくだけで、自分自身が変わっていくという楽しみを感じ始めたのかなという時期です。
オフィスファッションでは、カジュアルスタイルもこなれてきてトレンドど真ん中のコーディネートです。旬のタイトスカートに合わせるトップスを、古着Tシャツからキレイめなシャツに変えたり、スニーカーをヒール靴に履き替えたり。
全体的にIラインのタイトなシルエットにすることで、カジュアルなアイテムも程良いキチンと感を出せます。タイトスカートにTシャツやシャツをインしたきれいめカジュアルコーディネートは、手持ちのアイテムでも今っぽいこなれた印象に見せられ、通勤コーデにもおすすめです!
(ロゴTシャツと、ふんわり素材のドット柄Aラインスカートを合わせたコーディネート。さやからしさと今っぽさがリンクしている。)
こういったTシャツコーデは、波瑠さんもお気に入りのようでした。特にお母さんが上京してきたシーンの、赤いロゴTシャツに黒いドット巻きスカートを合わせたスタイルが気に入られていたようです。
また、オフィスシーンではわざと多香子(高橋メアリージュン)と服の色を似せたりすることも。多香子の役どころはいわゆるお洒落OLで、トレンドに敏感だけど自分に似合うものがわかっている子。露出も多めでさやかとは真反対のタイプですが、そんな二人が親友だという面白さもファッションで表現してみました。同僚と毎日会っていれば、服の色やデザインが被ることってよくあるじゃないですか。これまで自分流を貫いてきたさやかが、多香子の真似をして買って、色が被ったのかな?とか、視聴者の方が想像しながら共感できるようなリアリティを追求しました。
<最も“愛され”要素に振り切ったコーディネート>
三好さん:
作品スタート時からの振り幅を考えた時に、愛されファッションの方向性に振り切る最大の段階は、祐一(吉沢亮)との初デートシーン(第5話)と決めていました。この時はひらひら揺れるふんわり素材のワンピースを選びました。
次のデートからはブラウスにスカートを合わせたり、愛され服も自分でアレンジしてコーディネートするようになります。
<色使いもこなれてくる頃>
三好さん:
男性ウケを意識し過ぎると、ともすると自分らしさを見失いがち。さやかも、仕事の時には自分が好きなものを取り入れたスタイルで、祐一に会う時は愛されファッションを意識して…という風に、バランスを取れる形にシフトチェンジしています。さやか自身、回を重ねるごとに自分らしさを取り戻しつつ、だんだん“自分らしい愛され服”が分かるようになってきます。
<編集長のアドバイスに忠実な“愛され服”>
(女性らしい優しげな雰囲気と上品な印象を与える、総レースの淡いピンク色ワンピース。“モテ”の一歩先を行く“お嫁さんにしたい女性”イメージを忠実に意識した婚活コーデの王道スタイル。)
三好さん:
デートも何度か重ね、いよいよ第8話ではプロポーズを受けるシーンもあったので、ここでは思いきり“愛され服”に振りきったピンクのレースワンピースで勝負デートへ。このシーンは、自分で選んだというより、失敗しないように(これまで様々なアドバイスをもらった)編集長の言葉通りにしているイメージです。
洋服を変えたくらいで恋愛が上手くいくなんて…と思っている人もいるかもしれません。でも、やっぱり見た目が変わるとまわりの人の見方も、自分自身の意識もガラリと変わるものです。
「似合う・似合わない」を決めつけずに、さやかのように一歩踏み出して新しいチャレンジをしてみてほしいです。例えば、いつも着なかったワンピースを着てみたりすると、新たな自分の魅力に出会えたり、自分を変えるきっかけになると思います。
自分で選ぶのが難しかったら、友人に選んでもらったり、店員さんに相談してみたりするのもおすすめです。ファッションを通して、いつもと違う自分に出会えるはず。
仕事にプライベートに…と忙しく毎日を過ごすリアルな世代の皆さんに、ぜひこのドラマを見て、自分でも真似できるかも、と身近に感じていただけたら嬉しいです。