Mission 01
日本政府のスパイ組織、内閣情報室秘密諜報部部長の霧山誠一(寺島進)がひとりの囚人と面会する。囚人の名は鎧井京介(長瀬智也)。13件の詐欺事件で逮捕され、被害総額は一億円を超えるこの男は懲役30年の判決を受けたばかり。特技は瞬時にしてどんな人物にもなりきれること。相手の情に忍び込み、カネを奪い取るカメレオンのようにいくつもの顔を持つ。霧山は京介に取引を持ちかけ、吉澤総一郎内閣総理大臣(渡哲也)と面会させる。京介は吉澤総理から、罪状の数と同じ13のテロ計画をスパイとなって阻止すれば本当の自由を与えると言われる。
住処としてホテルのスイートを用意したと言われ、行ってみるとそこは東京・深川の古びた定食屋。その一室で平原源一(高田純次)・泉(伊藤かずえ)の店主夫妻と娘で三流夕刊紙の記者、三九(杏)と同居することに。
ボロ家なのに完全な監視下に置かれた京介は、家に着いて間も無く、ミッションだと呼び出された。
指定された霞ヶ関の雑居ビルの中に行ってみると、ある一室の中のロッカーに入るように言われる。実はそのロッカーは地下へと続く秘密のエレベーター。到着した先は内閣情報室直属秘密諜報部の作戦センター。最新のコンピュータと優れた知性を持つスタッフの集合体。京介が到着すると、ボスの霧山、美女のドロシー(深田恭子)、元自衛隊員の来栖健一(世界のナベアツ)、ハッカーのオサム(藤原一裕)、秘書のジョセフィーヌ(KIKI)が集まっていた。霧山はテロリストのドン、ミスター匠(柄本明)が動き出したと話す。
そのころ、ミスター匠はアジトにテロリストのボマーK(手塚とおる)を呼び、吉澤内閣総理大臣がターゲットだと言い渡す。
一方秘密諜報部も総理が狙われていることに気づいている。武器開発室で担当のエリス(友近)から毒矢と水が出る携帯電話型の武器を渡され、諜報部員たちはテロリストのねらいを調査するため散っていくのであった。
京介はドロシーと組むことになった。ドロシーは優秀なスパイで、男勝りの勝ち気な女。変装の名人で、新聞記者に扮し、京介と議員会館に赴く。まずドロシーが吉澤総理と懇意の議員に近づくが相手にされない。それを見ていた京介は、首にしていたアクセサリーを握ると詐欺師のスイッチを入れた。記者を演じて、相手の弱点をつき、総理の近況を聞きだす。
そのあまりの変貌ぶりに驚き、恐れすら感じるドロシー。京介は議員から、吉澤総理の孫娘が修学旅行で東京に来ることを聞き出すことに成功した。到着は明日で、2泊3日だ。
その夜、収集した情報から、ミスター匠の狙いは吉澤総理の孫娘、亜美(井上真央)に違いないことが分かる。世界的に有名な爆弾魔のテロリスト、ボマーKが入国したとの情報も入った。修学旅行のコースには国会見学があり、孫娘もろとも首相も狙われるかもしれない。
京介とドロシーは添乗員とバスガイドに扮して修学旅行に潜入、テロを阻止すべく戦いを挑むが、亜美はテロ以外にも問題を抱えていた…
Mission 02
とある証券会社でホストコンピューターがハッキングされる事件があり、巨額の損失が出た。秘密諜報部部長の霧山(寺島進)と吉澤総理大臣(渡哲也)はこれを経済テロとみて、テロリストを探しに乗り出す。
そのころ京介(長瀬智也)はドロシー(深田恭子)、来栖(世界のナベアツ)の指導で射撃の訓練をしていた。京介は敵味方をとっさに見分けることができず、拳銃を使うことを禁じられる。霧山は諜報部員たちに紅井令子(白羽ゆり)という元トレーダーを調べるように言う。京介とドロシーはエリス(友近)から指輪型拳銃『キラキラ・ズッキュッーン』を渡され、ボーイとメイドに変装して紅井令子のいるホテルに潜入するのであった。
令子はホテルでミスター匠(柄本明)のスパイと会っていた。
二人の会話を盗聴したドロシーと京介が令子が「ダラーM」という人間と会おうとしていることを知る。二人が諜報部に戻ると、オサム(藤原一裕(ライセンス))がミスター匠の通信記録から新しいテロリストを日本に送り込だことを割り出す。それがダラーM(デーブ・スペクター)、元CIAの偽札づくりのプロであった。ドロシーと京介はダラーMに接触しようとセレブに扮してパーティー会場に繰り出す。そこで出会ったダラーMは以外な一面を持っていた…
Mission 03
ミスター匠(柄本明)のスパイが日韓合作ドラマの脚本を盗んだという情報が秘密諜報部に入った。この日韓の文化交流の一環として計画されたドラマの撮影現場には、吉澤総理(渡哲也)の夫人、はる(高林由紀子)が表敬訪問するらしい。テロリストの狙いはこのはる夫人であることは間違いない。
秘密諜報部の霧山部長(寺島進)は訪問を中止するよう総理に言うが、韓流ドラマファンのはる夫人を止めることができない。テロを阻止するため、このドラマの撮影現場に潜入するべく、京介(長瀬智也)、来栖(世界のナベアツ)、オサム(藤原一裕(ライセンス))は韓国人女優シン・ユナ(Ara)演じる主人公の友人役オーディションに臨む。詐欺師の演技力で見事役を勝ち取った京介は女優のユナとその付き人のチェ・スヒョン(ヘリョン)、ボディガードのハン(アンドレ)と出会う。
ミスター匠の暗号メールを解読したオサムはキング・ジョーという韓国人スナイパーが入国したことをつきとめる。とすると、この韓国から入国した三人のうち、誰かがテロリストということになる。
京介はエリス(友近)からメイク道具に紛らわせて持ち込める口紅型武器、「ルージュ・バズーカ」を渡され、マネージャーに扮した来栖とともに撮影に参加する。一方、三九(杏)もユナへの取材のため、撮影現場に向かっていた。霧山とドロシー(深田恭子)は、若い女性であるユナとスヒョンもスナイパーである可能性は否めないとして、京介にユナを誘い出すように指令を出すが…
Mission 04
名門男子高の教師が女子高生にクロスボウで襲われ、重傷を負うという事件が起きた。襲われた教師がある生徒の名を聞かれたことから、次のターゲットはその生徒らしい。吉澤総理(渡哲也)は自ら、秘密諜報部にこの事件を調べるように指令を出した。京介(長瀬智也)らはあまり大きな事件でもないのに、総理直々に指令が出たことに違和感を覚えるが、霧山(寺島進)は何も疑わずに仕事に取り掛かるよう言う。
京介とドロシー(深田恭子)は役人に扮して学校の職員室に潜入し、夏休みに学校に来ているのは水泳部だけだということをつきとめる。評判のイケメン学園の水泳部への潜入にドロシーは喜び、京介とともに水泳コーチになって学校を訪れる。来栖(世界のナベアツ)は学校周辺の監視につく。
熱血コーチに扮した京介とドロシーが水泳部の練習に付き合っていると、徹(増田貴久)という他の生徒になじまない部のエースの存在に気づく。徹の姿に何か感じ取った京介はオサム(藤原一裕(ライセンス))に彼のことを調べるように言うが、霧山がそれに強く反対する。
帰宅した京介が、源一(高田純次)、泉(伊藤かずえ)、三九(杏)とともに夕食をとっていると、三九から京介の潜入している学校に吉澤総理の愛人の子がいるかもしれないと聞く。
Mission 05
ニューヨークで駐米イタリア大使が料理に混入されたカプセル爆弾で暗殺されるという事件が起きた。ミスター匠(柄本明)が雇ったテロリストによる仕業らしい。吉澤総理(渡哲也)もレストランでのイタリア大使との会食を控えており、テロが危ぶまれる。
秘密諜報部部長の霧山(寺島進)は会食に使われるレストラン「デル・バーチョ」へ潜入調査することを決め、京介(長瀬智也)は料理人の採用試験を受けることになる。作戦司令センターからオサム(藤原一裕(ライセンス))と霧山の司令を受け、食材と格闘する京介。なんとか試験に受かり、デル・バーチョで料理人として働くことになる。ドロシー(深田恭子)もホール係に扮して潜入に加わった。
店の人間でテロリストとして疑われるのは、京介と一緒に店に入った岸川、パティシエの今井、パスタ長の加山、ホール係でイタリア人のアレッサンドロ(パンツェッタ・ジローラモ)の4人。
京介とドロシーはエリス(友近)から、武器としてカプセル爆弾を発見するための特殊スコープ「ズバット・ミエール」となぜか市販のまな板を受け取る。そして下宿先の定食屋で京介は三九(杏)からデル・バーチョにレストラン格付け本で有名なミシュラートの調査が入ることを聞く。
テロリストは店の内部の人間だけでなく、ミシュラートの調査員に扮している可能性も出てきた。そんな中、店のオーナーシェフの柏木があやしい動きを見せ…
Mission 06
秘密諜報部に中国の情報局からナオミ・リー(純名里沙)という女性のエージェントがやってきた。中国で起きたテロの実行犯が日本に潜伏しているらしい。京介(長瀬智也)とドロシー(深田恭子)はナオミとともに、修道女と神父に扮装して、テロリストが潜伏していると言われる教会に潜入する。3人は聞き込みをするが、手がかりはつかめない。そんな中、京介は潜入した教会で、子供のころに面倒を見てくれた宇野神父(品川徹)に再会する。
ナオミにせがまれて京介は秘密諜報部の内部を案内し、次第に打ち解けた二人は一緒に京介の住む定食屋に向かう。源一(高田純次)や泉(伊藤かずえ)に歓待され、喜ぶナオミ。京介と二人きりになったときにナオミは中国に置いてきた子供の話をする。その子に自分の過去を、ナオミに母を重ね合わせる京介…
一方、秘密諜報部では、テロリストが見つからないことからナオミの真意を探ろうと霧山(寺島進)が動き…
Mission 07
三九(杏)が帰ってこないことと、京介(長瀬智也)が出て行ったことを不審に思った平原源一(高田純次)と泉(伊藤かずえ)は霧山(寺島進)に事情を聞くため、秘密諜報部を訪れる。源一と泉は霧山から三九がテロリストに連れ去られたかもしれないと聞く。霧山は三九を救い出すことを二人に約束し、ミスター匠(柄本明)のアジトを探し始める。
霧山は京介を呼び戻すため、あるミッションを開始する。そのかいあって、京介は定食屋に戻り、源一と泉に連れられて再び秘密諜報部にやって来る。
一方、ミスター匠のアジトでは、三九の前にミスター匠が現れ、京介がきっと来ると言う。そのことからミスター匠のねらいが京介を誘き出すことであることに気づく三九。
三九の捜索に協力を求め、ミスター匠との過去を聞きだすべく、京介とドロシー(深田恭子)は吉澤総理(渡哲也)のもとを訪れる。そこで京介はある決意を語り始め…、吉澤総理はミスター匠との過去を明かす…
Mission 08
エリス(友近)、オサム(藤原一裕(ライセンス))、ジョセフィーヌ(KIKI)、源一(高田純次)、泉(伊藤かずえ)の待つ秘密諜報部に細菌テロが計画されているとの情報が入る。捕らえられた京介(長瀬智也)、ドロシー(深田恭子)、霧山(寺島進)の三人も島が台風の暴風圏に入る前に脱出しなければいけない。その時刻は迫る。
一方首相官邸では、吉澤総理(渡哲也)が幹事長から秘密諜報部の存在が野党に漏れたことを聞かされる。追求を避けるため、すぐに諜報部を解体するようにという幹事長と秘書官らに、情報を漏らしたのは幹事長たちではと疑う吉澤総理。
牢獄に戻された京介と霧山はミスター匠(柄本明)の前に突き出される。ミスター匠は京介に、自分に協力し、吉澤総理を暗殺するよう再度言うが、従うそぶりを見せない京介にロシアンルーレットをしようと銃を出す。霧山は京介を止めようとするが、匠の味方になるなら死んだ方がましだと京介はそのゲームを受ける。京介はこめかみに銃を当てるが、恐怖にかられ、撃つことができない。撃てないなら吉澤総理を殺せと言うミスター匠の声に京介は銃の引き金を引く…
Mission 09
ミスター匠(柄本明)からの電話をオサム(藤原一裕((ライセンス))が受けた翌日、霧山(寺島進)と吉澤総理(渡哲也)が会談する予定だったビジネスセンターに爆弾が仕掛けられる事件が起きた。会談の時間と場所はSPと秘密諜報部員しか知らないはずなのに、その情報が漏れていたことから、霧山はテロリストと繋がっているものが諜報部内にいるのではと疑い始める。せっかく出会った仲間を疑いたくない京介(長瀬智也)は霧山に反感を持つ。
互いを探りあうことになってしまった秘密諜報部で、京介は来栖(世界のナベアツ)からオサムがあやしいと告げられる。二人でオサムの様子を探っていると、そのコソコソした様子を見たドロシー(深田恭子)は二人こそミスター匠のスパイなのではと疑う。
一方、吉澤総理は秘密諜報部の存在が明るみになったことで、その進退が問題となっていた。マスコミの追及をかわして戻った首相官邸の執務室で吉澤総理はある人物に出会う…
Mission 10
ドロシー(深田恭子)に撃たれた吉澤総理(渡哲也)は一命を取りとめ、救急車で病院に搬送された。ドロシーは警察に逮捕され、京介(長瀬智也)に「京介にも許せないことがあるでしょ」と言い残して連れて行かれた。そして、三九(杏)とともに秘密諜報部に行った京介は霧山(寺島進)が来栖(世界のナベアツ)、オサム(藤原一裕(ライセンス))、エリス(友近)に拘束されているのを見つける。
来栖らはミスター匠(柄本明)からのメッセージを見ていた。その中で、ミスター匠は世界主要都市の上空で気温を上昇させるミサイルを発射して世界を灼熱地獄に変えると宣言する。
地球を救わなければと焦る京介と三九だが、京介は相棒のドロシーをなくし、身動きができない。ドロシーの大切さを実感した京介は、連れ戻すべく、三九とともに扮装して彼女の留置されている警察署に乗り込む。だがそのころ、吉澤総理が生きていると聞いたミスター匠は、息の根を止めるようにと改めて指令を出し…