「桜庭澪を監視すればいいんですね」――澪(川栄李奈)は先輩ナースエイドの晴美(水野美紀)が、誰かの命令で自分を監視していたことを知って大きなショックを受ける…。晴美に監視を命じたのは一体誰?何のために…? 頭の整理がつかず混乱する澪に、大河(高杉真宙)が寄り添う…「冷静になって考えろ」。大河の考察では、晴美に澪の監視を命じたのは、澪の姉・唯(成海璃子)を殺した人物。その人物は、唯が調べていたデータを奪うため、晴美に澪を監視させ、さらに澪の部屋からノートPCを盗ませた…「おまえの姉を殺した犯人は、この統合外科にいる」――。警察に調べてもらうべきだと大河は言うが、晴美を犯罪者にしたくない澪は自分の力で真相を突き止めようとする…。
そんな中、相馬(矢本悠馬)が「助けてください!」と澪に泣きついてくる。担当になった入院患者が全く口を利いてくれず、手に負えないという。患者は交通事故で下腿骨を骨折した高校生の香澄(上坂樹里)。命に別状はなく、ケガ自体は手術をすれば治るが、何故か相馬がいくら声を掛けても完全に無視。同じ女性同士なら…と澪が話を聞こうとしても、香澄は全く耳を貸さない。困り果てる澪と相馬を横目に、夏芽(吉住)は「放っておけばいいのよ」と我関せず。すると香澄は、なぜか夏芽を呼び止め、「あなたと2人で話がしたいです」――。
何もしゃべろうとしない患者が夏芽だけに心を許すワケとは!?そして澪は、晴美に監視を命じた人物の正体にたどり着き、今まで気付けなかった“衝撃の真実”に直面する…!!
以下、ネタバレを含みます。
入院初日から誰とも口を利こうとしない香澄は、人と関わることを避ける夏芽に興味を示し、夏芽だけに悩みを打ち明ける。「今、クラスのみんなから無視されているんです」香澄は、クラスのカースト上位の生徒に嫌われたことが原因で、それまで仲が良かった友達からも無視されるようになり、独りぼっちになってしまったという。もう友達なんかいらない…そう吹っ切りたいのだけど、やっぱり心のどこかで、みんなと友達に戻りたいと思ってしまう。誰かに依存してしまう自分が嫌だという香澄は、我が道を行く夏芽に、「どうすればあなたみたいになれますか?」。すると夏芽は「私はただ、人に期待してないだけ」。人は都合が悪くなると平気で裏切る…最初からそれが分かっていれば傷つくこともない…。
お昼。澪と大河が病院の食堂で唯の事件について話していると、「何の話をしているんですか?」――現れたのは、橘(上杉柊平)。とっさに口をつぐむ澪と大河。それに気付いた橘はいぶかしみつつ、「統合外科の竜崎大河さんですよね?いろいろ知ってますよ。あなたがどうやってお金を儲けているか?板橋羽ばたき園のこと…」。橘は何やら大河の秘密を知っている様子で…。橘と大河の間にピリピリした空気が漂う。
橘が統合外科についてかなり深くまで調べていると感じた澪と大河。晴美を警察から守るためにも、橘より先に真相を突き止めなければ…。まずは裏切り者をおびき出すため、澪はナースエイドのみんなの前で、「姉の遺品を保管しているレンタル倉庫の鍵が壊れてしまった」と嘘をつく。するとその夜、さっそくワナにかかった人物が…。澪と大河がレンタル倉庫で待ち伏せていると、暗闇の中、倉庫に忍び込もうとする晴美を発見!やっぱり晴美が……と思っていたら、暗闇の中に、まだ2人いる……夏芽と相馬だ!「何で3人が…」…あまりのショックに澪は倒れてしまう…。
澪が眠っている間、大河が晴美たち3人から事情を聞く。3人は全員、ある人物に脅されていたという。相馬はその人物に借金を肩代わりしてもらった見返りに、晴美は息子の裏口入学を餌に、それぞれ脅されていたのだ。だが、夏芽だけは、脅されていた理由を言おうとしない…。そして、3人の弱みを握り、澪を監視するよう命令していた人物は、猿田(小手伸也)だった――。
なぜ猿田が…?大河は、これはもはや澪だけの問題ではなく、星嶺医大を巻き込んだ大問題に発展していくと予感。晴美たち3人に、今回のことは不問に付す代わりに、自分たちにバレたことを猿田に報告しないようクギを刺す。しばらく猿田を泳がし、重要な証拠を手に入れるために…。
大河から全てを聞いた澪は、翌日、ショックで病院を休んでしまう。そんな澪を心配する晴美と相馬は、自分たちのせいだと心を痛めるが、夏芽だけはいつも通り淡々と業務をこなす…。
一方その頃、病床の香澄は、誰も見舞いに来てくれないことに落ち込んでいた。友達なんていらないと思っていたけれど、やっぱり寂しい…。「夏芽さんは何で『人に期待しない』でいられるんですか?夏芽さんはその生き方で楽しいんですよね…?」。香澄に聞かれた夏芽は、黙ってしまう…。
夏芽は猿田に呼び出され、澪のレンタル倉庫から何も奪えなかったことを問い詰められる。適当に謝ってやり過ごそうとする夏芽。すると猿田は「犯罪者のおまえがここで働けているのは誰のおかげだと思ってるんだよ。過去をバラされたくなかったら、生意気な態度をとるな」。猿田の言葉に、夏芽は我慢の限界がきて…。
部屋にこもっている澪の元に、晴美と相馬が謝罪にやって来る。2人にも事情があったとはいえ、簡単には受け入れられない澪は「もう少しだけモヤモヤさせてください」。そんな澪に、晴美と相馬はもう1つ、病院での大事件を報告する。夏芽が猿田を殴り、病院を辞めると宣言して出ていったというのだ…!
澪は急いで夏芽のマンションに駆け付け、「辞めないでください!」。しかし夏芽には、澪が自分を引き留めようとする理由が分からない。だって…「あんたの部屋に侵入したのは私よ」。なんと、猿田に命令されて澪の部屋からノートPCを盗んだのは夏芽だった…!「私が辞めたらせいせいするでしょう?」と夏芽。しかし、それでも澪は、夏芽に辞めてほしくない。なぜだか自分でも分からないが、この数カ月、夏芽と一緒に働いてきて、澪は素直にそう思う…「私、夏芽さんのこと好きだし…」。動揺する夏芽は「私は誰にも期待しない!もうあんな思いはしたくないの!」……ナースエイドになる前、製薬会社で経理を担当していた夏芽は、親友でもあった同僚の横領に気付いてしまった。夏芽は「誰にも言わないから」と横領をやめるよう説得し、彼女も納得してくれたはずだったが…夏芽は彼女から裏切られ、逆に横領の罪を着せられて会社を追われてしまった…。そんな夏芽を拾ったのが猿田だった。星嶺医大でナースエイドとして働く代わりに、言うことを聞け、と。「だから私は誰も信じないし、期待しないの」…夏芽が人と深く付き合おうとしないのには、そういう理由があったのだ。しかし澪は「やっぱり夏芽さんて人間が好きなんですね」。人間が好きだから裏切られるのが怖い…嫌いになりたくないから期待しない…そんな夏芽の本心を見抜いた澪は「私は夏芽さんを裏切りません!私はナースエイドです。何を言われようが人に寄り添います!」…澪の揺るぎない思いに、夏芽は圧倒されて…。
夏芽に殴られて激怒する猿田を大河が一喝し、事態は大ごとにならずに済んだ。翌日、いつも通り出勤した夏芽は、香澄に…「人に期待しないと人生は楽だけど、たま~に期待してもいい人間っているから」。人が変わったような夏芽の言葉に、キョトンとする香澄。その病室に、クラスメートの茜が見舞いにやってくる…。
「先生…私、これからどうしたらいいんですか?」…澪は不安な気持ちを大河に打ち明ける。そんな2人の前に、再び橘が現れ…「お聞きしたいことがあるんです」。橘は、統合外科が隠している、ある重大な秘密に気付いていた――。