「児童養護施設長の同意が取れて本当に良かったですね」澪(川栄李奈)は、大河(高杉真宙)が無事小夜子(永瀬ゆずな)の命を救ったことを知ってひと安心。
しかし翌日、小夜子の母・早苗(小野ゆり子)が星嶺医大に怒鳴り込んできて大河に詰め寄る、「何で手術したの!?」。親の許可なく子どもの体にメスを入れるなんて人殺しと同じ…「訴えてやるから!」
騒ぎを聞いて駆けつけた澪は、「大河先生が手術したことは法律的に何も問題ありません!」と反論。
しかし、何故か大河は早苗に何も言い返そうとせず…。
一方、教授室で一人、血を吐いて倒れた火神(古田新太)を玲香(瀧本美織)が発見。なんとか意識を取り戻した火神は、玲香に衝撃の事実を語り始める…。
その頃、澪のもとに橘(上杉柊平)から、唯(成海璃子)のノートPCから論文らしきものが見つかった、との連絡がはいる。「俺にはチンプンカンプンで…。何が書いてあるか教えてくれないか?」橘から送られてきたそのファイルに目を通す澪…。そこには、全ての憶測を覆す信じられない内容が記されていたーー。
火神の身に一体何が…?誰も知らなかった澪の家族に関する衝撃の事実…!
そして、ついに姉の死の真相が明かされるーー。
以下、ネタバレを含みます。
実は小夜子の手術に児童養護施設長の同意が出たのは手術が終わった後だった…。澪はそのことを知らない。もしそれがマスコミにバレたら大ごとになり、オームスの開発も頓挫してしまうため、火神は大河に「玉野小夜子の手術は養護施設長の同意を得てからやった!いいな」と口裏を合わせるよう指示。火神がシムネスに侵されていることを知った大河は、火神の力になろうと改めて決意を固める。
一方その頃、猿田(小手伸也)は、早苗が大河に詰め寄っているところを録画した動画をSNSで拡散して大河と澪をおとしめようと考えていた。企みをいつもつるんでいる看護師の明菜(織田梨沙)とちえみ(あかせあかり)に話したところ、なんと二人に「桜庭さんは本気で患者さんに寄り添って、笑顔にして、すごい。先生も人を陥れることばっかり考えるより人を笑顔にすることを考えたほうがいいと思う」と突き放されてショック!そんな猿田に1人の男が近づいてくる…「少しお話よろしいですか?」…その男は以前、記者会見で大河に論破されたフリーライターの井出(西ノ園達大)だった…。
澪は、父・晃(和田聰宏)と火神がかつて同じ大学病院で働くライバルだったと知って衝撃を受ける。火神の話では、後輩だった晃は外科医としても研究者としても火神よりも上だったという。晃の夢は、必ず完治できる新しいガン治療を開発することだった。その思いに感化された火神も同じ夢を目指すことにしたが、晃は若くして他界。それから火神は死に物狂いで火神細胞を生み出し、シムネスを完治させるためのオームスも完成に近づこうとしている。「オームス適応訓練を受けてくれないか。キミの父の夢をかなえるために…」…火神だけでなく大河と玲香からも懇願された澪は、「分かりました、試験だけは受けます」。
なんと、澪のオームスとのシンクロ時間は1時間を超えた。大河でさえ15分が限度のオームスに、一発で適応してみせたのだ。火神は喜び、大河からも「おまえの時間、全てオームスのために使ってくれ」と頼まれた澪は、「それってナースエイドの仕事ができないってことですよね?」。ナースエイドになったのはPTSDを克服して外科医に戻るためだったが、今となってはナースエイドの仕事にやりがいを感じていて…。
澪は、晴美(水野美紀)、夏芽(吉住)、相馬(矢本悠馬)の3人に、もとは外科医だったこと、ナースエイドを続けるべきか迷っていることを打ち明ける。3人は、澪が外科医だったことに気付いていた。そして、「澪は信念を持っているのだから、好きにすればいい」と背中を押してくれた…。そんなとき、橘からファイルの添付されたメールが届く。それは、父・晃が死ぬ前に書いた論文で…。その内容を見た澪は目を疑う…。
澪は論文を火神に突き付ける。「あなたが開発したと言われる火神細胞は…本当は…私の父が開発したってことですか?」。…晃の論文に書かれていたのは、火神細胞と同じ力を持った細胞の開発方法だった。論文の日付は15年前で、火神が火神細胞を開発して論文を発表する前。晃の死後、火神は、さも自分が開発したかのように世間に発表し、特許も取得して富と名声を手に入れていたのだ…。
「私が世に出したから、火神細胞によって多くのガン患者の命が救われた!桜庭だってそれを望んでいたはずだ!」…火神は全てを認めたうえで、シムネス完治のためには多くの資金が必要で、決して私利私欲で富と名声を手に入れたわけではないと説明する。しかし、澪にはそんなことよりも聞きたいことがあった…。「姉はこの論文のことを教授に尋ねなかったんですか?」…新聞記者の唯が火神の元を訪ねた時、論文のことを追及したに違いない。「教授が…姉を殺したんですか?」…しかし、その答えを聞く前に、火神は再び血を吐き倒れてしまう…。
火神はシムネスに侵されていた。残された命はもってあと数週間。延命のため、大河はその場で開胸手術を決断する。
手術直前、火神は声を振り絞り、澪に真実を伝える…「私はキミの姉…桜庭唯を殺した」唯は死ぬ直前まで真実を公表しようとしていた。しかし、それは晃の名誉のためというよりは、妹・澪のためだった…。『私が死んだ後、澪は私に延命手術したことを悔いて、医者を辞めてしまう気がする…。澪には父のような医者になってほしい…そのためにも、父がどんなに素晴らしい医者であったかを澪に教えてあげたい…。』
しかし、唯が事実を公表すればオームス研究がついえてしまう。火神の心に悪魔が宿り、そして、唯を突き落とした――。全てを知った澪は激しい怒りに震える…「私はあなたを…許せません」――。
大河による火神の開胸手術が始まる。しかし、心臓の腫瘍を摘出した途端、また新たな腫瘍が現れ驚異的異な速さで増大…。「バカな…」…シムネスの脅威は、大河の想像をはるかに超えており……
「…火神教授が…亡くなった」…星嶺医大に衝撃が走るーー。