【アナウンサーが語る!箱根駅伝】辻岡義堂アナウンサー「祖父の背中」
予選会を経て、ついに出場校が出揃いました。
シード校と関東インカレ成績枠の日大に、
予選会校と関東学生連合が加わった計23チームが、
第95回大会の箱根路を彩ります。
ひとりひとりに様々な想いがある箱根駅伝ですが、
私の胸には常に祖父の存在があります。
幼い頃は毎年1月2日、祖父母の家で親戚たちと食卓を囲んでいました。
いとこと羽根つきで遊んだり、お年玉をもらったり、楽しいことばかり。
しかし、優しい語り口の祖父も、その時ばかりは普段と様子が異なります。
そう、箱根駅伝。母校の応援です。
まだ分厚かったテレビの前に腰を落とし、腕組みで真剣な表情。
孫たちにすら背中を向けて、ピクリとも動きません。
子供ながらに「なんでこんなに真剣になれるんだろう?」と
疑問に思ったことを今でも覚えています。
夢中になった祖父の背中こそが、私の箱根駅伝の原点です。
幼少期に抱いた疑問は、入社後、あっという間に解決されました。
いつも実況を始める直前、自然と青空を見上げてしまいます。
祖父から譲り受けた見えないタスキを胸に
今回も箱根駅伝の実況に臨みます。