サファリランドから珍動物が失踪!捕獲に奮闘した女性獣医 執念の記録
12月6日(木) 日本テレビ系で放送の「THE 突破ファイル」では、山口県の秋吉台自然動物公園サファリランドで2009年に起こった、アフリカハゲコウの大追跡に奮闘した女性獣医師・佐山香織氏(仮名)の執念の記録を再現ドラマで紹介した。再現ドラマでは、女性獣医師を森矢カンナ、園長を酒向芳が演じた。
■世界一醜い鳥とも呼ばれるアフリカハゲコウを飼育することに
ある日園長が全スタッフを緊急招集。「地方の動物園は経営が厳しい。価値を産むにはアイデアが大切だ」――そう言った園長はアフリカ・タンザニアから新たな仲間を連れて来た。それが、世界一醜い鳥とも呼ばれるアフリカハゲコウだった。
園長はこの2羽をキンとギンと名付け、動物園のアイドルにするという。そして、その飼育を任されたのは獣医師の佐山氏。全くの手探りから飼育方法の研究をスタートし。日々の努力が実り、キンとギンは不思議なほど佐山氏に懐き、徐々に動物園の人気者になっていった。
そんなキンとギンを、園長は自由飛行させ動物園の目玉にしたいという。アフリカハゲコウは、広げると2m以上になる大きな羽を生かし、上昇気流をとらえて高度4000mまで飛ぶことができるという。早速スタートした飛行訓練だったが、すっかり地上での生活に慣れたキンとギンは全く飛んではくれない。どうやら野生にいたことを忘れてしまったようだ。
思うように飛んでくれないまま8か月が経過。「この子たちにフリーフライトは無理なのでは……?」と不安がつのるなか、飛行訓練から1年8か月が過ぎたある日。ついに、キンが見事な初フライトを見せた。しかし感動もつかの間。気が付いた頃にはすっかり見えないところまで飛んで消えていってしまったのだ!
■600kmも離れた場所で見つかる
帰ってくる様子を見せないキン。大慌てで派出所に電話し、職員総出で捜索に当たった。しかし、北西の空に飛び立っていったキンは見つからない。
失踪6日目にはネットニュースに取り上げられ、全国の人が知ることになった。そして8日目。600kmも離れた場所でキンが見つかった。なんと和歌山県の民家の高さ11mの電柱の上にキンはいたのだ!
失踪から180時間ぶりの再会。キンはずっと電柱の上から動かないが…捕獲作戦は朝に決行することになった。様々な作戦を企てるが、キンは一向に捕まらない。大好物のアユに睡眠薬を入れ眠らせる作戦では、一瞬で完食したのはいいが再び電柱にあがったキンは1時間たっても眠らない。
その時!佐山氏に名案が浮かぶ。この状況を突破した方法とは…?
その方法とは、暗いところでは目が見えなくなるアフリカハゲコウの特性を生かしたものだった。あえて夜まで待ち、電柱に園長が登り「ワッ!」と声を上げて驚かせる。すると、夜で景色が見えないことに加え、睡眠薬の影響でキンは飛ぶことができず、落下してくる。それを見事佐山さんが地上で受け止めるというもの。
絶望的にも思えたアフリカハゲコウのキンの捕獲はこうして幕を閉じた。今もサファリランドのダイナミックフライトショーで活躍しているという。