木下大サーカス、やむを得ない”魔の5分間”の間にお客さんが盛り下がってしまう…どのように解決した?
4月25日(木) 日本テレビ系で放送の「THE 突破ファイル」では、木下大サーカスで起きた突破劇を再現ドラマで紹介した。
創業117年の木下大サーカスは、年間動員数は120万人にも及び、日本中のお客さんに夢と感動を与えている。しかし、ショーの間にお客さんが盛り下がってしまうというある問題が起きていた。
世界三大サーカスにも数えられるこのサーカスの最大の目玉は、猛獣ショー。世界に300頭しかいないホワイトライオンが4頭もおり、そんな凶暴で手なずけるのが難しいライオンが次々に曲芸を披露し、観客も大熱狂するのだ。
だが、この猛獣ショーを巡り問題が起きていた。当時の木下大サーカスのラインアップは、空中大車輪で客を乗せ、目玉の猛獣ショーでさらにヒートアップさせ、会場を縦横無尽に駆け巡るオートバイショーへと展開させていた。
しかし猛獣ショーは安全柵が絶対に必要であるため、次のオートバイショーの前に、その柵を片付ける必要がありその待ち時間におよそ5分かかってしまうのだ。
サーカスでは観客の興奮が冷めないようにスピーディーな展開が命なのだが、どうしてもその5分のせいで次のショーが盛り下がってしまう。観客の満足度を著しく下げる、まさに「魔の5分」。
危機感を感じた木下サーカスの社長・木下さんは柵の撤去を急がせたりプログラムの順序を変えようとしてみたりと策を練るのだが、どうしてもうまくいかない。
「お客さんの感動を持続させるためには、プログラムの間は1秒でも早く繋がないと…その感動こそがまたサーカスに来てくれる原動力になるんだ。一体どうすればいいんだ…」頭をかかえる木下さん。そしてその時、突破アイデアが!
「そうか!いっそのこと待ち時間をなくせばいいんだよ!」
木下さんが思いついたのは、“待ち時間の間に別のショーを披露すること”。猛獣ショーが終了すると、空中でアクロバットショーをスタートさせるのだ。
撤去で使えない舞台の合間、空中を使用。待ち時間をなくしつつ、見栄えの良くない撤去作業から客の目もそらすというアイデアだ。
ちょっとした工夫をこらし業績もうなぎ上りになり、今や年間120万人を集めるビッグイベントに!ショーの細部までこだわり抜く木下大サーカスの見事な突破劇だった。