激狭敷地に日当たり○・開放感ありの家を!難題を突破した建築家のアイデアとは?
7月4日(木) 日本テレビ系で放送の「THE 突破ファイル」では、実際にあった、建築家の情熱が生んだ突破劇をドラマで再現。建築家役を片桐仁が、アシスタント役を久住小春が演じた。
とある日、建築家・古谷健吾さん(仮)のもとに無謀とも言える仕事が舞い込んだ。
それは、11.1坪の土地、ワンボックスカーを縦に2台並べれば埋まってしまうほどの広さに家族4人で暮らす夢のマイホームを建てたいという要望だ。
ただでさえ難しい要望なのだが、依頼者が求める要件はとても多く…全フロアを日当たり良く、子ども部屋を2つ、開放感のある広いお風呂があり、駐車場完備で見晴らしの良い屋上が欲しいという。
難しい条件に戸惑う古谷さんだったが、古谷さんに設計してもらうことを夢見ていたという依頼者家族のため、絶対に妥協をせず家を建てると約束するのだった。
実際に現地を下見すると、やはり相当厳しい条件。三方が建物に囲まれており、唯一開けているのは北方向のみ。日当たりは夢のまた夢だ。
また、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)から見ても、家を建てられる坪数はわずか6.7坪ほど。
まず日当たり確保についての古谷さんのアイデアは、ダイニングの上を吹き抜けにし、天窓からの光が2階に届くように、さらに縦に空間を使うことで、広く感じさせるというもの。これで、要望の一つである広くて明るいリビングは可能になった。
しかし、依頼主の要望は「全フロア日当たりをよくしたい」こと。1階にまで光を届けようとさらに吹き抜けにすると、2階が狭くなってしまう。考えた末、2階の床を格子にすることで1階まで光が届くという作戦でクリア。さらにテーブルやイスも光を通すよう格子やガラスを使った特注のものに。
次なる課題はお風呂。水道管のスペース節約のため水回りは1階にまとめたいところだが、1階は駐車スペースを作るため床面積はさらに狭くなる。
そこで、古谷さんは「浴室は正方形」という固定概念をなくし、浴槽とシャワースペースを縦長に配置することに。これで、足を伸ばせる開放的なお風呂を実現。
最後の難関は、子ども部屋が2つ欲しいということ。半分に分けるという策も部屋が狭すぎて難しく、頭をかかえる古谷さん。そんな中あるアイデアがひらめいた!
それは、部屋を壁で互い違いに分け、寝るスペースを縦に配列すること。
互い違いになっている部分の壁をベッドにすることで空間を有効利用し、2部屋の子ども部屋という難題もクリアした。
さらには、屋上には広々としたデッキも完備!狭小住宅でありながら依頼者家族の要望の数々を叶えた、快適な家が誕生したのだ。
家族の想いを汲み取った建築家の情熱が詰まった、見事な突破劇となった。