あらすじ

これは、“女性が諦めなくてもいい時代”を目指した女性報道記者たちの、40年の物語――。

1995年5月16日、山梨県上九一色村。地下鉄サリン事件の首謀者でオウム真理教の代表・麻原彰晃こと松本智津夫が逮捕された。その世紀の逮捕劇をカメラに収めようと、現地には多くのカメラマンやリポーターが押し寄せたが、その中に紅一点、現場の状況を懸命に伝えた一人の女性記者がいた――。

「曽根昭子さんは、あなたたちと同じように報道局に配属された、偉大な先輩です」。
2019年9月。日本テレビ新入社員・和泉令(芳根京子)の前で、研修担当の真野二葉(江口のりこ)が誇らしげに語る。24年前、自ら現場に立って麻原逮捕の瞬間を伝えた曽根昭子(仲間由紀恵)の功績がいかに大きいか。当時中学生だった真野はテレビで曽根の雄姿を見て記者を志したという。…が、和泉たち新人にはピンとこない。今は女性の記者も当たり前の時代だし、わざわざ顔を出してリポートしたくないし…。

そんな新人との世代間ギャップを感じてタメ息をつく真野…。和泉は真野から取材のイロハを教わりながら奔走するが、取材先で「人の不幸で飯を食うな!」と罵倒されて意気消沈…。自分たちの報道によって容疑者ばかりが好奇の目にさらされ、事件の本質がおろそかにされていくことに疑問を抱く…。一方、真野も子育て中の時短勤務の身で、以前のようにじっくり取材ができずに「育児」と「仕事」を両立する不安と葛藤を抱えていた。

時はさかのぼり、2008年6月8日、同僚の結婚式に参列する警視庁担当の平尾成美(木村佳乃)と真野のもとに秋葉原無差別殺傷事件の一報が入る。現場に向かうタクシーの中で振袖を脱ぎながら刻々と変わる状況を電話で聞き取る真野。平尾も披露宴が終わりドレス姿で仕事に直行し、真野の中継を見守るー。

平尾のもとで数々の事件を担当してきた真野は、遺族取材に心を痛め、ある未解決事件の被害者遺族と出会い、殺人事件の時効廃止に取り組む姿を伝える。平尾をはじめとする先輩たちを心から尊敬していて、「ああならなければ」と思う余り何事も頑張りすぎてしまう…。

迎えた2020年、新型コロナウイルスが蔓延。未曾有のパンデミックの中で自分を見失っていく和泉は、真野が東日本大震災を取材したVTRを目にする……。

昭和から平成、令和へと移り変わる時代の中で、歴史的ニュースの裏には、記者たちの決して譲れない闘いがあった…!道を切り開いてきた女性記者たちの生きざまと報道の舞台裏を描く40年の物語!!