久遠(安藤政信)と内通し、石川(増田貴久)を殺害した片桐に銃を向けた樋口(唐沢寿明)。しかし、片桐はすかさず通孝に銃を突き付ける!憎しみに火をつけ、自分に引き金を引かせることが久遠の目的であることに気づいた樋口は、通孝を生きて解放することを条件に、あえて片桐に逃亡を許す。
その頃、海が見える別荘で現場のやり取りを聞いていた久遠は、自分の思い通りにならない樋口に苛立ちを感じていた。その目には、死んでもなお幻影となって久遠を責め立てる母親の姿が見えていて……。
樋口とひかり(真木よう子)は、ECUメンバーを集め、徐々に分かってきた久遠の情報を整理する。有名な舞踊家の娘だった久遠の母・由紀子は17歳の時に久遠を妊娠。これまで久遠が直接殺した被害者たちは、自分の母親と同学年で同じ地区に住んでいた人物だったことがわかる。
一方、ECUの緒方は、片桐のPCを自宅に持ち帰り、解析を進めていた。片桐が頻繁にアクセスしていたダークウェブ上のサイトを調べると、なんと今まで久遠が火をつけて起きた殺人事件の数々が実況放送されていたことが発覚。片桐は、閲覧数を稼ぐことで久遠の資金源を確保していた。サイトを潰そうとPCを操作する緒方。しかしその時、突然部屋に侵入してきた片桐に襲われて……!?目が覚めた時、緒方の前に現れたのは、微笑む久遠だった……!再び狙われる仲間の命!現場へ急ぐ樋口とひかりの無線に、緒方の絶望の悲鳴が響き渡る!
緒方のマンションに駆けつけた樋口とひかり。呻く緒方の指は久遠によって切断されていた!久遠たちは切断した緒方の指をクーラーボックスに入れ、すでに逃走。緒方の切断された指を縫合できるタイムリミットはあと4時間!ECUは久遠の潜伏先の特定を急ぐ。
久遠のルーツが分かれば、潜伏場所も見えてくると考えた樋口は、唯一生きている久遠の親戚・松田綾子の聴取に踏み出す。久遠の母・由紀子の叔母である綾子は、かつて塾を経営。当時、綾子が教えていた生徒の中には、由紀子のほか、後に久遠が殺すことになる5人の被害者と、自殺した本部長の小野田がいたことが発覚する。樋口とひかりに説得された綾子は、39年前のある出来事について重い口を開く。それは、由紀子が17歳の時、塾の生徒たちに乱暴され、久遠を身ごもったという事実で……。それでも子供を産む決心をした由紀子は、最初は幸せな生活を送っていた。しかし、久遠の出生について噂が流れ、実家を追い出されてからは、幼かった久遠に虐待を繰り返すようになり……。久遠を“白塗りの男”へと化けさせたのは、母親に向けられた激しい愛情と憎悪だったのだ。
その頃、緊急指令室では、久遠が鎌倉方面に向かったことが判明。久遠が母親のために選んだ場所に潜伏すると考えた樋口は、綾子に心当たりを尋ねる。すると、かつて幸せだった頃、由紀子と久遠が毎年祭りのために訪れていた別荘があることがわかる……。
樋口とひかりは該当の別荘へと急ぐ。その道中、ひかりは、久遠が樋口に執着する理由を分析する。久遠の声に樋口への『羨望』と『嫉妬』が入り混じっていることに気づいたひかりは、理不尽な運命に翻弄されても憎しみに溺れず、一線を超えない樋口の存在に、久遠が惹かれると同時に嫌悪しているからだと考える。
樋口たちは久遠が潜伏している可能性のある海が見える別荘に到着。エンバーミング処理された由紀子の遺体がベッドに横たわっているのを発見する!近くに久遠がいると確信した樋口は、ベランダに立つと、久遠に向かって叫ぶ。
「お前は俺から大事なモノを奪っていった!今度は俺が奪ってやる!」
薪に火をつけると、由紀子が寝ているベッドに置く樋口!燃え盛る火を前に、久遠を挑発する。その様子を近くに隠れて見ていた久遠は、樋口を睨み別荘に仕掛けた爆弾のスイッチを押そうとするが、思い直し、その場を離れるのだった。実は、樋口は遺体に火をつけるふりをしただけ。樋口は、久遠を刺激し、次にどう動いてくるかを見極めようとするが……。
緒方の切断された指を縫合できるタイムリミットまであと30分。緊急指令室に戻った樋口とひかりに焦りが見える中、捜査本部から衝撃的な連絡が入る。なんと、久遠が報道機関に向けて、今まで自分が関わった全ての事件と、生い立ちを告白したという。さらに同じ頃、クーラーボックスを持った久遠が、港東署の入り口に現れる!
「出頭するよ、樋口彰吾―」
予測不能な久遠の行動。ついに、樋口と久遠が対峙する……!