日本バレーボール協会は１日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで記者会見を行い、５日に開幕する「ワールドグランドチャンピオンズカップ2017」に出場する女子日本代表の14選手を発表した。
選出されたメンバーは、17年5月に始動した新チームの主将を務める岩坂名奈、16年リオ五輪に出場した石井優希、島村春世、鍋谷友理枝、12年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した荒木絵里香ら。
中田久美監督の"後継者"の期待がかかるセッターは、超攻撃的司令塔・冨永こよみ、長身から繰り出すクレバーなトス回しが持ち味の佐藤美弥が選出された。
中田監督は就任以降の16試合で13勝3敗と大きく勝ち越し。7月ワールドグランプリ予選では、それまで12連敗していたブラジルに白星を挙げるなど快進撃を続けている。「プレッシャーがかかる試合の中で、やってきたことを出すことが一番大事。数字で見ると勝ち越してはいますが、決して満足はしていない。結果にこだわりながら挑戦していきたい」と決意を新たにした。
なお、今年７月に行われたワールドグランプリでチーム最多得点を挙げるなどエースとして期待された古賀紗理那はひざの負傷のためメンバーから外れた。
【火の鳥ＮＩＰＰＯＮ代表14人一覧】
＃３主将ＭＢ 岩坂名奈（久光製薬スプリングス）
＃４ ＷＳ 新鍋理沙（久光製薬スプリングス）
＃５ ＭＢ 荒木絵里香（トヨタ車体クインシーズ）
＃７ ＷＳ 石井優希（久光製薬スプリングス）
＃９ ＭＢ 島村春世（NECレッドロケッツ）
＃10 Ｓ 冨永こよみ（上尾メディックス）
＃11 ＷＳ 鍋谷友理枝（デンソー・エアリービーズ）
＃12 Ｓ 佐藤美弥（日立リヴァーレ）
＃13 ＭＢ 奥村麻依（JTマーヴェラス）
＃18 ＷＳ 内瀬戸真実（JVA）
＃19 ＷＳ 堀川真理（東レ・アローズ）
＃20 Ｌ 小幡真子（JTマーヴェラス）
＃21 Ｌ 井上琴絵（JTマーヴェラス）
＃23 ＷＳ 野本梨佳（久光製薬スプリングス）
【女子代表発表会見＝監督、14選手コメント】
中田久美監督
「５月の就任以降、たくさんの試合をしてきました。16試合、64セットの中で課題もたくさん出てきました。そして、収穫もありました。今シーズンはグラチャンバレーが最後。ワールドグランプリではロシア、中国、ブラジルに勝ちましたが、今回の相手はまったく別のチームだと考えています。今季は韓国、米国と未対戦ですが、チャレンジャー精神を忘れずに、次につなげる重要な大会と思って戦っていきたい。応援に来ていただける良い大会にしたいと思います」
「ワールドグランプリでは世界と戦うことが初めての選手が多い中、スパイク１つとっても、打つ角度にこだわらなければ勝てない試合でした。プレッシャーのかかる試合でやってきたことを出すことが一番大事。（就任以来チームは13勝3敗について）数字だけ見ると勝ち越していますけど、決して満足はしていません。結果にこだわりながら挑戦していきたい」
「（エース候補・古賀が不在について）最後まで本当に悩みました。膝のケガです。じん帯ではなく、腱の炎症。アジア選手権の途中から、本人から訴えがありました。様子をみながら動きを見ていたのですが、大会が始まる中で元通りになるかを考えると（本来の力とは）半分以下と判断して、将来性を考えて、今回は残念なんですけれども外させていただいた次第です」
「古賀のいろんな思いをしっかりと背負い、全員に注目して期待して、最後まで戦い抜きたいと思います」
＃３ 岩坂名奈主将（ミドルブロッカー）
「どの大会でも初戦は大事。しっかり準備をして、みんな同じ方向を向いて戦えるように、チームに貢献できるようにやっていきます。（主将としては）最初に比べると発言も増えたかなと思うんですが、もっと成長できるようにやっていくつもりです。試合は何が起きるか分からないので、流れが悪くなった時に鼓舞するのに苦労していますが、今シーズン集大成として全員で作り上げてたバレーを出し切り、結果にこだわり、全員で優勝をつかみに行きます」
＃４ 新鍋理沙（ウイングスパイカー）
「守備でも攻撃でも安定したプレーをして、チームに貢献できるように頑張ります」
＃５ 荒木絵里香（ミドルブロッカー）
「ミドルブロッカーが攻撃の拠点となってチームの勝利に貢献できるようにしたい。（全日本復帰について）またこの舞台で戦える喜びを感じている。自分の役割を果たしていきたい。３年後の五輪に向けてスタートの大会。先にどんどんつながっていく大会なので、チームとしてしっかり基盤を作って行けるよう。勝ちにこだわって全員で頑張りたい」
＃７ 石井優希（ウイングスパイカー）
「今、チームに何で貢献できるかを頑張っていきたい。（アジア選手権のメンバーからは外れたが）今、必要とされている分、頑張りたい。木村沙織さんとＬＩＮＥをして「人のことを気にせず、自分中心で気楽に頑張ればいいんだよ」と言われ、短い文章だったけれど、すごく重い言葉で、気持ちも体も楽になりました」
＃９ 島村春世（ミドルブロッカー）
「コートの内外で声を掛けて、自分らしいプレーを」
＃10 冨永こよみ（セッター）
「頭は冷静に、気持ちは熱く」
＃11 鍋谷友理枝
「自分の出来ることを最大限にやりきってチームの勝利に貢献したい」
＃12 佐藤美弥（セッター）
「アタッカーを生かすことに徹して頑張りたい」
＃13 奥村麻依（ミドルブロッカー）
「ほかのスパイカーを助けられるように頑張ります」
＃18 内瀬戸真実（ウイングスパイカー）
「相手の嫌がるプレーをしていきます」
＃19 堀川真理（ウイングスパイカー）
「たくさん点数を取り、チームの雰囲気を盛り上げたい」
＃20 小幡真子（リベロ）
「常に挑戦者の気持ちを忘れず、この場に立てなかった選手の思いも含めて頑張りたい」
＃21 井上琴絵（リベロ）
「１球１球にこだわり、勝ちにつながるプレーをしたい。１試合１試合気持ちを込めて戦っていきます」
＃23 野本梨佳（ウイングスパイカー）
「攻めの姿勢を持ち続け、チームにいい流れをもたらすことが出来ように頑張ります」