【第3試合は日本の大砲VSイタリアの賢人】
日本のウィングスパイカー柳田将洋の持ち味は、跳躍力をいかしたパワフルなプレー。特にスビードと破壊力を兼ね備えたジャンプサーブはチームの大きな武器だ。今大会、まだサービスエースはないが、何度も相手レシーブを崩し、得点に貢献している。大会中日となった14日の公式練習後には「サーブの精度も上がってきた」と、さらなる手応えを得た。大砲のサービスエースが日本初勝利への架け橋となる。
イタリアの注目選手はオポジットのルカ・ベットーリ。フルセットの末、"帝王"ブラジルを下した第2戦でチーム最多の27得点を挙げた。コントロール力のあるスパイクが特徴で、ここ数年でトップクラスに急成長した選手だ。コート内で抜群の得点能力を発揮する一方、普段は穏やかで物静か。「趣味は"昔の"映画鑑賞」という古典的な文学青年で、同僚からは「賢人」などと呼ばれている。日本戦でもクレバーに点を決め、チームに2勝目をもたらすつもりだ。
【第1試合はイランの"壁"VSブラジルのエース】
イラン連勝の立役者となった選手が203㎝のミドルブロッカー、セイエド。力強い速攻を武器に、ここまでスパイク22得点。同14得点を挙げた初戦のイタリア戦では、スパイク決定率で驚異の73・68%をマークした。チームの得点源となっているセイエドだが、一番の強みはブロック。14年世界選手権では40ブロックを記録し、FIVBの公式ツイッターで「ザ・ウォール」と称された。今大会はまだ3ブロックだが、本領発揮でブラジルをシャットアウトできれば、おのずとチームの3連勝は見えてくる。
大会連覇を目指す世界ランク1位のブラジルだが、ここまで1勝1敗。もう負けられないチーム浮沈の鍵は、やはりエースのバラセが握っている。2戦合計のスパイク得点は24。16年リオ五輪で得点王に輝いた実績を考えると、少し物足りない数字だ。好調イランを豪腕で粉砕し、波に乗ることができるか。
【第2試合は仏のサラブレッドVS米国の要】
第2戦日本戦で14得点を挙げ、フランスチームベストスコアラーとなったのは、23歳のウィングスパイカー、トレボール・クレブノ。代表で最も期待されている若手の1人で、父アランは元フランス代表、母と兄弟もバレー経験者というサラブレッドだ。チームはここまで1勝1敗。期待のホープにボールを集め、勝ち越しを狙う。
米国のミドルブロッカー、マックスウェル・ホルトは、世界的アタッカーであるマシュー・アンダーソンと並ぶチームの中心選手だ。武器はブロックと精度の高いジャンプサーブ。16年リオ五輪ではブロック20本、サービスエース12本をマークし、いずれも大会2位に入った。今大会はスパイクも好調で、初戦の日本戦では11本のスパイクを決めた。ともに1勝1敗で迎えるフランス戦。攻守の要の活躍が、優勝争いの行方も左右する。