あす5日に開幕する「ワールドグランドチャンピオンズカップ2017」の前日会見が4日、東京・新宿区のホテルで行われ、日本代表を率いる中田久美監督のほか、各国女子代表監督が顔をそろえた。
世界ランク1位の中国、2位の米国、4位ブラジル、5位ロシアと強豪が集うワールドグランドチャンピオンズカップ。同6位の日本はランキングでは格上の国と対戦するが、中田監督は「強豪国と対戦できるのは私たちにとって意味のあること。やってきたことを全て出し、来シーズンにつなげていけるような大会にしたい」と意気込んだ。
初戦は同10位の韓国と対戦。キャプテンでチーム最長身186㎝のミドルブロッカー、キム・スジ、2020年東京五輪のエース候補のウィングスパイカー、イ・ジェヨンらを擁する好チームで、中田監督は「サーブがいいので、そこは要注意。攻撃のリズムも少し違うので、ブロックとレシーブの関係などをしっかりと修正して、先手先手を取っていきたい」と気を引き締めた。
韓国のホン・ソンジン監督は、エースのキム・ヨンギョンが選出されなかった理由について「皮膚のトラブルなど体の状態がよくなく、治療を受けている」と説明。日本戦に向けては「有力な選手が欠けているが、我々は最善を尽くしてトレーニングをしてきた。プレッシャーなく、いい試合をしたい」と話した。
また、中田監督は3日に52歳の誕生日を迎え、選手やスタッフらからお祝いされた。「選手たちからプレゼントをいただきました。大きなケーキも用意していただいて、すごく嬉しかったです」と笑顔を見せた。
一方で、「(全日本監督に就任して)この1年間が、私の人生の中で一番苦しい年だったんですけど、これからの1年はさらに厳しくなるんだろうなと。でも、自分で決断したことなので、責任感を持って戦い切りたいと思っています」と決意を新たにしていた。
※ランキングはいずれも8月7日現在
【各国女子代表監督コメント】
日本/中田久美監督
「(セッターの冨永こよみ、佐藤美弥の評価について)まだ安定感に欠ける部分があり、なかなか固定できていないのが正直なところ。ただ、2人とも途中から入ると活躍してくれるので、救われている部分はある。でも、もう少し計算ができる、スパイカーをいかし切るセッターになってもらいたい。今大会も、2人を使い分けていくと思う」
「(初戦に向けて)韓国チームはかなりメンバーの変更があり、情報的に少ないところがあるが、それよりも開幕戦の入り方の難しさ。感情のコントロールも必要になってくるので、その辺りの準備をしっかりして、いい形で試合に入りたい」
ロシア/ウラジーミル・クジュトキン監督
「五輪のサイクルがまた新しく始まり、どの国も新しいチームを作っているところだと思う。私たちのチームも例外ではない。ファンの皆様も、全てにおいて新しいチームを見る大会になると思う」
「ワールドグランドチャンピオンズカップは全てが強いチーム。心して臨む」
ブラジル/ジョゼ・ギマラエス監督
「私たちのチームは非常に若いチーム。2020年東京五輪に向けて、今は学習の時間。世界でも強いチームと対戦できるワールドグランドチャンピオンズカップは、得るものも多くなるだろう」
韓国/ホン・ソンジン監督
「6カ国全てが世界的な強豪チーム。われわれは20年の五輪に向けて新人を発掘している段階だが、今回の大会を通していろいろなことを学んでいきたい」
中国/カン・ショウ監督
「4年に1度の大きな大会に出場することができ、本当にうれしい。20年東京への強化の最初の大会として頑張りたい。強豪国ばかりなので、中国チームも勉強するつもりで戦う。選手たちにも多くのものを得てほしい」
米国/カーチ・キライ監督
「私たちも含め、若い選手を多くそろえたチームが集まっている。全ての国にとって、素晴らしい学びの場になるだろう。世界屈指の強豪が集まる大会。私たちがこれまで取り組んできたことを試す、良い場になるだろう」