ニュース

2017.09.10

女王に惜敗 中田監督「中国基準に強化」

 10日に行われたワールドグランドチャンピオンズカップ2017の最終戦で、日本は中国と対戦。セットカウント1‐3で敗れた。試合後、中田久美監督と選手が会見した。

 勝てばメダルが決まる大一番。"女王"中国の実力は1枚上を行っていたが、最後まで諦めずに戦った選手たちを指揮官は称えた。「負けてはしまいましたが、気持ちが切れそうなところを、選手たちは最後の力を振り絞ってチャレンジしてくれた」。

 最終成績は2勝3敗の5位。「結果には決して満足いくものではない」としながらも、「強豪国相手にセットを取ったり、競り勝ったりというところでは選手たちの自信につながったところもあると思う。選手が次に進んでいくためには非常にいい経験をしたと思います」と収穫を口にした。

 中田監督から直々に主将に指名され、チームをけん引してきた岩坂名奈は「キャプテンとしてチームを引っ張ることができなかった」と悔しがり、目を潤ませながら「一選手としてもそうだが、キャプテンとしてもっとやるべきことがあった。精神的にも技術的にも成長したい」と言葉を絞り出した。

【中田監督のコメント】
(中国について)
中国は(7月の)ワールドグランプリで1回当たって、その時のメンバーとほとんど変わらずの2回目でした。あの高さとスキのなさと言いますか、あの高さと強さを基準にして強化していかなければと思いました。

(来季セッターは?)
まだまだ色々セッターを見てみたい気はする。冨永と佐藤である程度形になってきているので、そこは大事にしてあげたい。

(スピードバレーの達成度について)
五輪まで3段階として、今季は1段階目と考えると40%くらいは土台ができたのかな。来季は70%くらいまで強化を積み重ねていきたい。

(今後求める人材はサーブレシーブが出来る選手、打ち切れる選手について)
アンダーカテゴリーを含めて考えたいと思っていますし、来季は国際大会がMCカップ、アジア大会、世界選手権と続くんです。私が決められることではないのですが、強化指定選手の人数を(増やしてほしい)。強化プランとして選手たちの選出、強化をしていこうかなと考えております。


【各選手のコメント】
荒木絵里香
自分たちのいい形で点を取り切れるなど、序盤は良かったと思います。でも、中盤から被ブロック数も増え、手詰まりになっていき、プッシュで簡単に点を取られてしまいました。チームとしても個人としても、まだまだ成長しなければならないと思いました。

佐藤美弥
中国の強さを実感しました。力の差もそうですが、自分たちがやるべきことをやれないと、強い相手に勝つことは難しい。今日は自分から崩れてしまった部分もあるので、この悔しさを忘れず、技術的にも精神的にも成長していきたいと思います。

ベストリベロ賞の井上琴絵
チームとして優勝目指してやってきたので結果を出せずに悔しいですが、みなさんのおかげで受賞できたと思います。

ベストセッター賞の冨永こよみ
このような身の丈に合わない賞をいただいてしまって、すごく申し訳ないじゃないですけれど、自分でももらっていいのかなという気持ちはあるんですが、この賞に見合う選手になれと言われていると思って、励みに頑張っていきます。
日本は岩坂中心にチームワークを強めてすごく良い試合もあったし、すごく良いチームになってきた評価がこの賞だと思っているので、チームのみんなに感謝したいと思います。

【優勝した中国のコメント】
中国 カン・ショウ監督
優勝を勝ち取ることができて嬉しい。しかし、肝心なところのプレーには問題がある。まだ課題がある。今年は五輪後、新しいチームづくりにあたる最初の年。帰国後は足りないところを補う練習をしていきたい。

優勝を決めた中国 シュ・テイ
日本の頑張りは感じた。すごくいいプレーが多かった。
帰国したら、試合で出来たこと、できなかったことを整理して、さらに強くなっていきたい。

優勝を決めた中国 テイ・カ
相手を分析することが大事。帰国後は練習に励んで高いレベルのバレーをしていきたい。

一覧に戻る