メアリー・カサットは、アメリカのピッツバーグ州に生まれ、フランスで活躍した画家、版画家です。フィラデルフィアのペンシルベニア美術アカデミーで学び、1865年にプロの画家を目指してパリに移り、サロンで活躍し始めました。1877年頃、ギャラリーに展示されたエドガー・ドガのパステル画を見て感銘を受けたことがカサットの転機となります。本作は、1878年のパリ万国博覧会に出品しますが却下されてしまいます。ドガの助けを借りて本作を描き直し、1879年に初めて、ドガから誘われていた第4回印象派展に他10点の作品と共に出品しました。白いドレスにタータンチェックの靴下とサッシュを身につけた少女は、ドガの友人の娘です。退屈を持て余して落ち着かない様子の少女と、隣の椅子で静かに眠るカサットの愛犬の対比を見事な洞察力で捉えています。